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「Od maličkých k velikým」プレミア公演!!

ファイル 267-1.jpgファイル 267-4.jpgファイル 267-2.jpgファイル 267-5.jpgファイル 267-3.jpg先日、2月25日にブルノ・ポラールカ劇場にて無事「Od maličkých k velikým(小さいものから大きいものまで)」のプレミア公演を迎えることができました。プレミア上演はなんか目頭がなんか熱くなるぐらい 物凄く盛り上がりました!!これから、ポラールカ劇場で定期的に上演されていきます!ぜひブルノへ行かれる場合はプログラムをチェックしてみてください!!(>web)

プレミア上演を迎えた「Od maličkých k velikým」!!!

最初に演出家のゾヤさんからお話しをもらったのは、たしか昨年の夏の終わり頃だったと思うのです。「白雪姫」や「3匹の子ブタ」といった具体的な物語ではなく、色んな詩や童謡を使って、タイトル通り、小さいものから大きいものが登場していくものにしたいとのことで。細かい内容は実際に見てもらいたいのでここでは書くのを控えたいと思うのですが、ゾヤさんオリジナルの戯曲になっています。

ゾヤさんの最初のアイデアでは、セットは、タンス1つのみでタンスから引っ張り出せる衣類をつかって、色んな人形に変化していくものというものでした。前回も書きましたが、このお話しをもらった時、最初にゾヤさんから「Yumiにとって不得意な分野かもしれない」と言われたは、「布製の」人形制作が理由だったのです。

演劇用の人形は毎回作り方も素材も変わるので、どれが!ということはないのですが、やはり木だったり、張り子だったりが多いので、布製の人形を作ってこなかったわけではないのですが、裁縫がそんなに得意でないのはゾヤさんも周知の事実な感じでして。

いつもは、舞台用の縫物や衣装は、デザインのみ私がやって、後は縫製をするプロにお願いして、小物とか手縫いが必要な物、味のある感じに仕上げたい時のみ作るといった感じなのです。編み物はちょっと自信があるのですが、裁縫仕事は本当にあまり得意ではないのです。

そんな私の裁縫技術は、大きな針、大きな待針を使う事とか、手縫いの時糸は4本通すなど、毎回お世話になっているテーラーのブディーコバーさんから教わったものが多いのですが、大きな針で指を刺した時の破壊力はなかなかのもので。。今回の人形達、サイズも大きかったのですが、色々な仕掛けもありまして、立体的に縫っていかなければいけなかたったので手元が不安定だったのか、ただ単に私が不器用なだけだったのか、まあ、何度刺したかわかならいぐらい刺しました。人形の笑顔の裏には、かなり血に塗られた側面があるのです、、、というのは冗談ですが、なかなかに苦しめられました。

そして、一番難しい課題だったのが、「役者の即興性を活かせる人形」というリクエストでした。

これには、かーーなり悩みました。。この辺は、実際に劇を見て頂きたいので詳細を書くのは避けますが、結果だけ書けば凄くいい感じでクリアできたと思っています。ただ、即興性を活かせる物・形は、実際にリハーサルをしなければ見えないわけでして。それでも、人形がなければ、リハーサルにならないので、ゾヤさんとの打ち合わせの中で沢山アイデアを出して、ある程度の方向つけつつ、自身で作る過程で見えてくるアイデアなど色んな可能性や機能を持たせつつ制作しましたが、やはりリハーサルの経過を見て、作る側も即興的に対応していかないといけないといった感じでした。

「Od maličkých k velikým」は、全体的にその「即興性」が大事なテーマで、ゾヤさんの台本も、ゾヤさんが選んだ詩、童謡以外は何も書かれてない状態で、全部リハーサルの中から生まれていきました。今回出演している俳優さんは3人。ポラールカ劇場に所属していて、ポラールカ劇場の設立メンバーの一人であるJiří Skovajsa(イジー・スコバイサ)さん、「浦島太郎」や「金の紡ぎ車」でも一緒だったLubomír Stárek(ルボミール・スターレク)さん、女優2人は客演で上演スケジュールで対応できるようにダブルキャストになっていて、Hana Jagošová(ハナ・ヤゴショバー)さんとAdéla Marešová(アデーラ・マレショバー)さんが出演しています。音楽は、最近ブルノ市から文化功労賞を受賞した、ゾヤさんの制作チームとしておなじみのZdeněk Kluka(ズデニェック・クルカ)さん。

皆、ゾヤさんのお墨付きがでる本当にいい役者さんでした!

特に、このイジ―(イルカ)さんとルボミール(ルボシュ)さんの即興力というかアイデア力が半端なく、私自身もリハ中かなり触発される結果になりました。特に嬉しかったのは、私自身色々と舞台や人形にちりばめたアイデアや機能を、私が想像していた形以上に、もう本当におおいに越える感じで演じてくれて。こういう良い形でのキャッチボールは凄く嬉しいもので、毎度のことで、短時間で結構な仕事量だったのですが、制作するのが楽しかったです。

ゾヤさんの演出力により、役者の即興的な演技、身体を使っての動きや曲、プリミティブ・ナイーブな表現方法でできた人形や動物のシーンからの、作り込んだビジュアル世界の段階が、本当にバランスがとれた作品に仕上がったと思っています。私にとっては、ゾヤさんと10作品目。私自身、少しは成長した状態でゾヤさんのそばで仕事ができているといいなあと思うのですが、、どうでしょう。それでも、これだけ沢山の作品を一緒に作ってくることができて、改めて幸せなことだなと思います。また、一緒にいい作品が作れますように。

そして、「Od maličkých k velikým」沢山の人たちに見てもらえることを願っています。

写真・1 最後の方のクマ。Masopust(謝肉祭)の季節だったので、なんだか吊るし切りならぬ、吊るし縫いだったなあと、、
写真・2 リハの時のお気に入りの1枚。
写真・3 ゲネより
写真・4 サルも出てます!(このサルの機能が結構面白いのです)
写真・5 プレミア後、子供達も舞台に上がって、みんなでぞうさんに!!
 


「Od maličkých k velikým(小さいものから大きいものまで)」

ファイル 264-2.jpg「Od maličkých k velikým(小さいものから大きいものまで)」のプレミア公演が今週の土曜日と迫ってきています!!ブルノ・ポラールカ劇場にて午後3時より!!プレミアの日のチケットは、完売しているのですが、2月28日17時半、3月11日10時半、15時半からも一般の観客向けに上演予定みたいです!(6月までの上演予定が、ポラールカ劇場のHPで出ていますのでどうぞチェックしてみてください!!>web)

私は昨日ブルノ出張で、最後の調整以外の仕事は全部終えることができました。後は、プレミアを待つのみです!!これで、昨年末から続いていたブルノ通いの日々も一段落しました。

詳細は、プレミア後に書ければと思うのですが、凄くいい仕上がりになっています。3歳から5歳が対象ですが、大人の方も十分に楽しめる内容になっています。いいプレミア公演になりますように!


2017!!!!!

ファイル 263-2.jpgファイル 263-1.jpg1ファイル 263-3.jpg月も最終日になりました!

もう少し早くブログをアップしたかったのですが、昨年末にパソコンが壊れて、修理に出していたのです。そして、先日、本当にいろんなドラマ?を経て1か月かかって、うちに帰ってきた感じだったのです。

修理の時間はかかりましたが、この修理をしてくれた人はなかなか凄い方(見た目が昔の海外刑事ドラマに出てきそうな、髪をわけている感じの神経質そうな寡黙刑事)で、チェコ人ならではの状況対応能力といいますか、最終的には私の愛用していたソニーのパソコンのハード・ディスクをDELLのノートパソコンに脳移植するような形で修理してくれました。私はウィンドウズの日本語版を使っていたので日本語版のまま修理をしてくれたのも凄いですが、以前と同じまま復活してくれただけでなく、以前よりなんか機能アップして蘇らせてくれたので本当に驚きでした。私にとっては5台目のパソコンで、以前は2台Mac、2台ソニーだったので、初Dellです。

今年は、私にとっては大きな節目の年です。

というのも、2007年9月にプラハに住み始めたので、今年で10年目の年になります。「10年」と言葉にすると、もうそんな長く住んでいるのかーっとも思いますし、住み始めた頃のことを思い出すとまだ10年?といった感じもするし不思議な感覚です。それでも、10年の間に本当に色んなことがあったなあと。10年前の私は今の自分が想像できてませんでしたし、10年後もそんな感じだといいなと思ってます。

そして、私はチェコへ来てから演劇世界に入ったので、人形劇の世界に入っての経験も10年目になりました。10年で培った経験を次の10年に活かせたらいいなと思っています。色んな事に挑戦できればいいなと。

現在は、色んなプロジェクトが平行している感じで、さらにプロジェクトごとに制作テクニックが違うため、家が素材と制作中の物であふれていて混戦状態です…。制作ペースは悪くないのですが、ペースアップしていかないとな感じです。

今年最初の仕事は、2月25日ブルノ・ポラールカ劇場にて、プレミア予定の「Od maličkých k velikým(小さいものから大きいものまで)」です。私にとってはポラールカ劇場での仕事は、2009年に制作した「浦島太郎」以来です。演出は、ゾヤさん。私は、výprava(チェコの演劇現場ではよくある役職なのですが、舞台美術・衣装・人形など、ビジュアル面を全部担う立場)で入ります。

私にとって今年は色々と10年目ですが、ゾヤさんと一緒に作るのも、10作品目!で、偶然ですが、テンションが上がっています。この仕事は、ゾヤさんから最初に話を振られたとき、「Yumiにとっては、不得意な分野かもしれないけど…」から始まりました。本当にその通りで、かーーーーなり、もがきました。詳細はこれからのブログに書きたいですが、リハの雰囲気も凄く良くて、今からいい作品になるなあと確信しています。

今年は日本に(今の見通しでは)3回行きます!仕事でバタバタしているかもですが、皆さまに会える日を楽しみにしています!2017年も皆さまにとって幸せな年でありますように!!


近況報告・12月

ファイル 260-1.jpgファイル 260-2.jpgファイル 260-3.jpg長いことブログをアップしていませんでした。師走とはよくいったもので、いつもバタバタな感じですが、今年の12月は例年以上にバタバタしていました。

昨年と同様に 、2016年は、本当に移動が多い年でした。

1年を通すと、チェコ以外の国に5か月間ぐらいいました。そのうちの3か月間は、日本にいれました!いつの間にか自分の生活ベースがチェコになっているので、日本にこれだけ長く滞在できたのも、凄く貴重なことだなと思います。

長いこと海外に住んで仕事をしてきて、表現の世界に国境はないと思っていますが、日本に生まれたという自分の根っこの部分の感情が、日本で仕事をしたい!という気持ちにさせるのだと思うのです。今年は、金沢しいのき迎賓館での、のはちゃんとの展覧会や、日本―チェコ共同演劇プロジェクト、一糸座さんの「ゴーレム」の上演、京都・プラハ姉妹都市20周年にあたっての京都駅でチャークさんとの「赤ずきん」上演などなど、日本のいろんな所で仕事ができて、沢山の方々に出会えて、本当に嬉しく思っています。お世話になりました皆様方には本当に感謝です!!

また、今年は自分の人生の中では一番取材をして頂ける機会が多い年でした。NHKさんの「世界に花咲け!なでしこたち」のドキュメントを初め、沢山の新聞・雑誌記者の方々に取材をて頂く機会を得ました。自覚症状があるぐらい、話すのに容量がつかめない、さらには話が脱線する、そんな私自身の感覚的な話を、辛抱強く聞いてくださいましたNHKデイレクターの永田さん、お会いすることができました記者の皆様方本当にありがとうとございました。誰かの視点を通して、自分のことを描かれるのは恥ずかしくもあり、実物よりかっこよく書いて頂ける事が嬉しい体験でした。それに、普段聞かれない質問に沢山答えることで、自分自身「実際のところどう考えているのだろう?」と、考えるきっかけにもなりました。紹介していただいたことを無駄にしないように、これからも、精進していけたらと思います。

そして、今年最後のニュースは、映像作家・柘植泰人さんの映像作品「Modrý(青)」に、人形制作として参加させて頂いたことです。Youtube Canon Officialサイトより、ご覧いただけます。ディレクターverは、こちらからご覧いただけます!ぜひ、両方見てみてください!!!

「映像」という表現分野は、私にとっては未知の世界で、アニメーションを初め凄く好きで憧れる世界ではありますが、感覚的にアナログな私にとっては、機材・制作等の複雑さから、自身が制作する分野という意味では遠いものだと思っていました。こういう機会を頂き、プロジェクトに参加できて凄く良かったと思っています。

このお話をもらって、初めて柘植さんの映像作品(宇多田ヒカルさんの『真夏の通り雨』)を見た時、「映像なのに時間が止まったような、止まった中に静かなエンドレス性があるような」そんな不思議な感覚になりました。こういう感じに繊細に自然を撮られる方が、自分作った人形をどう撮られるのだろうとワクワクしました。
映像作品の持つ「時間」の中に、人形自身が持てない「時間」という感覚をビジュアル的に表現できたら面白そうだなと思いました。自然物と風景と人形がうまく結び付けたらいいなと。そんなところから、人形デザインが生まれてきました。

初めての映像作品への参加だったので撮影現場を見てみたかったのですが、スケジュールの都合がつかず日本に行けませんでした。ので、人形を送ってからの運命は、まったくわからない感じで、完成された映像を見てびっくり!といった感じでした。YoutubeのCanon ofisial サイトに、メイキングもあるので、そちらもご覧いただけるとうれしいです。撮影って本当に大変なのだなあと。。そして、機材もすごいなあと。。

年末ということで、なんだかまとめモードになっていますが、来年に向けて色々なプロジェクトが動いています。また色々なニュースを届けられたらと思います。良い年越しを!!

写真は、Modry(青)の制作過程です!


公演情報

ファイル 255-1.jpgファイル 255-2.jpgファイル 255-5.jpg先日、プラハへ帰ってきてからすぐ、9日間ぐらいプラハから720キロの位置にあるウストカという港町(ポーランド)に行っていました。私にとっては人生初のバルト海を見ることができました!なぜ、この街にいたかといいますと、世界で活躍されている人形劇家の沢則之氏のワークショップのアシスタントをしていました。

2013年にポーランドでプレミア公演があった「トリスタンとイゾルデ」の演出家、Michal Tramer氏が、ウストカから18キロの街・スウプスクにある人形劇場の芸術監督になり、人形劇フェステバルの一環としてワークショップと沢さんの人形劇の上演を!!と1年前から、オファーがあったのです。(>web)

沢さんのワークショップのアシスタントとして入るのは、過去のブログを見返してみると2013年の春以来でした。あれから、3年間半、色々な経験を重ねたなと思うのですが、改めて、沢さんのワークショップをアシスタントとして、一緒に1週間以上同行できて、本当に勉強になりました。人形作りの技術・操演の技術・歴史についてもですが、演劇に対する考え方、仕事に対する取り組み方などを伺うことができて沢山刺激を受けることができました。

ワークショップの参加者の皆さんも、劇場関係者か、美術系の方だったので、みんな興味・熱意がもの凄く、ワークショップ終了時間は17時までだったのですが、毎晩22時ぐらいまでやっていました。最後の方は、本当に別れを惜しむぐらい仲良くなりました。いつか、またどこかで会えたら嬉しいなと思います。

 
 
以前は、書いていた公演情報ですが、ここ数年手が回らず書けていませでした。色々とお知らせがあるので、チェコで上演されている作品も含めて書けたらと思います。

まず、今年の7月にLong island Children's museumにて、再演された「Mysterious Lake」ですが、今秋、演出家・芦沢いずみさんの演出の下、ニューヨーク・マンハッタンにあるJapan Societyにて、10月30日開催予定の、Obake Family Dayに、また新しい形で生まれ変わります!(>web)私は残念なことに行けないのですが、ぜひ、ニューヨーク在住の方、ご旅行予定の方は、ぜひ!!Trailerはこちらから!!1分半です!ぜひ、見てみてください!!

ファイル 255-3.jpgファイル 255-4.jpgまた、とっても嬉しい話で、「YODAKA」が、ついに2016年海峡演劇祭にて、日本初上演が決定しました!!! (>web)「YODAKA」は、谷口直子(ちゃーくさん)と2010年に、二人で作った最初の作品です。企画構成を二人で考え、最終的にゾヤさんに演出をしてもらいました。その頃、ちゃーくさんは、文化庁新進芸術家海外研修制度で、チェコで生活をしていて、住んでいた所こそ違いましたが、一緒に暮らしていたのでは?というぐらい、毎日一緒にいて、アイデアや演劇の話をずーーっとしていました。そして、この作品を通して、私もちゃーくさんも、本当に四苦八苦でしたが、得難い沢山の経験することができたと思います。二人でスーツケース抱えて、本当にボロボロになりながら、チェコ・スロバキア上演ツアーに回ったのは凄くいい思い出だなと。

今回、日本上演にあたって、私自身携われないのは寂しいですが、ちゃーくさんが、きっとのたうち回りながら、日本語バージョン「YODAKA」に作りかえるのではないかと思います。(「YODAKA」は、チェコ語で制作されました。)

海峡演劇祭は、門司港の関門海峡ミュージアムにて、12月3日から24日まで開催予定です。「YODAKA」上演は、12月17日と18日です!九州にお住まいの皆さま、ぜひお越し頂けると嬉しいです!!!

チェコで関わった作品の公演情報です。

2015年3月にプレミア公演があった「アンネの日記」は、主役のイトカさんが産休があったため一時休演していましたが、また、Slovácké divadloにて定期的に上演されています。次回の公演は、11月22日と23日です。(>web)

2013年1月にプレミア公演があった「親指姫」も、ブルノのラドスト劇場で定期的に公演されています!今月は、一般向け公演は28日と30日10時からです!(>web)

2014年6月にプレミア公演があった「金髪のお姫様」もクラドノのランピオーン劇場で定期的に公演されています。今月は、10月9日でした。(>web)

今年、衣装デザインをした「Enola」も、定期的にプラハ・KD-Mlejnにて公演されています。今月は10月1日でした。また、10月29日には、イフラヴァにあるDIODでも上演があるようです。(>web)

毎月、公演情報はかける自信がないのですが、定期的に書こうと思っています。

現在は、色んなプロジェクトが動いています。まだ、具体的に書けないのですが、私自身初挑戦のものあり奮闘しています。また、久しぶりにチェコでのパフォーマンス作りも始まりだしています。

写真・1 沢さん、ワークショップ風景
写真・2 バルト海!!カモメが、時間が止まったと感じるぐらい本当に綺麗でした。
写真・3 夜は、結構大きめのハリネズミも見ました!ポーランドでは多いみたいです。(私は、プラハでは1回しかまだ見たことありません)
写真・4 「YODAKA」ポスター
写真・5 2012年にプラハ・ミノール劇場で上演された「YODAKA」の上演後!


近況報告 10月

ファイル 254-5.jpgファイル 254-2.jpgファイル 254-4.jpg先日、プラハに帰ってきました。2週間の滞在だったのですが、本当に着いた日のことが凄く遠い昔に感じるぐらい濃い毎日でした。

「国際姉妹都市祭 in 京都駅ビル2016」は、無事に終了しました。お越し頂いた皆さま、本当にありがとうございました!!そして、今回、このような機会を作って頂いたプロデュサーの小巖さん、準備を進めてくださったスタッフの皆さまにも心よりお礼申し上げます。

今回のプロジェクトのお話は、最初「トークショーをしてもらえないか?」的なものでした。自分の知名度のなさから考えて、私自身が京都駅で何か話をしても、「いったいお前、誰やねんー!?」(京都にちなんで、関西弁を使わせてもらいました。。)ってなるのは、明白なもので、どうしよう?と考え、人形劇に慣れていない方々に少しでも楽しんでいただけるよう、役者の谷口直子さん(以降、チャークさん)に話を持ち掛け、私が話すのに合わさせて、人形を動かして欲しいといった感じで話が始まっていきました。

そこからのやり取りは、私とチャークさんの性格的ややこしさといいますか、話が二転三転し、私が持っている人形を動かしながらトークショーをするといった話が、最終的には、「赤ずきんー姉妹都市バージョン」として、新しいパフォーマンスを作るといった話まで拡大されていきました。

新作パフォーマンスを作るということになり、結局新しい人形を2体、お面1つ、衣装や小道具等々を制作することになり、時間的な制限もあったので、準備はそれなりに大変でしたが、この時点まではいつもの自分の仕事だったので、問題はなかったのです。日本に到着して、次の日新大阪で、チャークさん待ち合わせした時点までは、私の気持ちは結構晴れやかだったのです。というのも、劇に使うもの達の準備が調整以外はできていたので、本来の私の仕事的はほぼ終わっていたので、むしろ、チャークさんに、時間のない中で準備が完璧にできたことを褒められるかな~🎵なんて、あまつさえ思っていたぐらいだったのです。。

ところが、私のテンションとは裏腹に、久々に会ったチャークさんは殺気の塊でした。。

開口一番に「稽古だ!!稽古!!!」と。

そうなんです。今回、恐ろしいことに、私も舞台に立つことになっていたのです。スカイプでの打ち合わせはかなりしていたのですが、一緒に動いてのリハが3日間しかなかったのです。私自身、自分の仕事ができあがっていたので軽く満足状態にあり、自分が舞台に立つことをかなり頭の隅っこのほーに追いやっていたのです。

「とにかく、稽古!稽古は裏切らないから!!!」この怒声の下、そこからの3日間は、本当に記憶が飛ぶような時間でした。。

そして、今回は、講談師 の旭堂南陽さん(11月には、四代目・玉田玉秀斎襲名予定のめちゃめちゃ凄い方なんです!!)に語りとして入って頂き、幼少のころからアコーデイオン界で大活躍されている、
かとうかなこさんが、演奏として参加して頂くという、ありがたすぎる大きなバックアップがありました。

普段、観客席から舞台を見て意見を言う側だったので、今回自分が舞台に立つことで、今まで全く見たことないサイドの視点を沢山見せてもらうことができました。そんな私の初舞台経験を、役者チャークさん、講談師南陽さん、アコーディオニストのかとうさんという、豪華すぎる布陣で臨めたのは、感謝の言葉を書いても書き尽くせません。そして、暖かく舞台を見守っていただいた観客の皆さまにも、もう一回感謝の念を書きたいと思います。本当に、ありがとうございました。

チャークさんも、ブログを書かれているので、こちらも見ていただけたらです。(>web)

京都のイベントの後は、文楽の人形使いにとどまらず、独自の人形芝居を作り上げられ大活躍されている勘緑さんのアトリエにお邪魔することもできました。その道の最先端を走られている方のお話しを聞くことができ、またそのご姿勢に敬服し、沢山の刺激をもらいました。

京都の後は、写真家中乃波木さん(のはちゃん)のいる金沢へも立ち寄りました。1日半の滞在でしたが、今後のNohayumiの実験的制作を始めています。(http://www.nohayumi.com/)も緩やかにアップをしていきますので、時折のぞいて頂けると嬉しいです。

ファイル 254-3.jpg9月30日は、東京シティアイ・JPタワー・KITTE地下1階にて開催されていたチェコ・フェステバルにて、人形作りのワークショップをしました。お陰様で、満員御礼でした!定員に達してしまい、参加できなかった皆さま、本当にすみませんでした。また、次回、ぜひよろしくお願い申し上げます!!!

ファイル 254-1.jpgワークショップが終わってからは、ずっと日本で会いたい!と思っていた、以前NHK・BS「世界に花裂け!なでしこたち」でお世話になった漫画家わたなべぽんさんと旦那さん、デイレクターの永田さんとごはんに行けました!ぽんさんは新刊「やめてみた。本当に必要なものが見えてくる暮らし方・考え方」を出されています!チェコでの撮影中、ぽんさんが、この本を描いている最中で、書いている内容について、車の移動中お話ししてくださったのですが、お互いに疲れている(私とぽんさん以外は、みなさん車で爆睡でした)にも関わらず、ノンストップで話が盛り上がったのを思いだします。今回、本になったのを読めて、なんか凄く得した感のある楽しめ方ができました。お勧めです!!

今回は滞在時間が2週間と短かったので、会える人もかぎられ、打ち合わせも結構あったので、帰国直前まで、バッタバッタな感じでチェコに帰ってきました。もっと、長くいれたらなと毎回感じます。

バタバタ生活は続き、、明後日から、ポーランドです!!頭を切り替えていかないっと。

また、先日、ウェブ系雑誌・灯台もと暮らしさんの「かぐや姫の胸の内」というコーナーで取材を受けた記事がアップされました。記者さんが、世界を旅されながら書かれているワイルドな女性で、今回の取材もチェコの自宅まで来てくれました。ぜひ、お時間ある時に、読んで頂けると嬉しいです!!(>かぐや姫の胸の内)

写真・1 赤ずきん、人形は真面目ですが、内容はことごとくふざけた赤ずきんでした。
写真・2 上演風景。私は、吹き戻し吹いてる狼です。。
写真・3 上演後。
写真・4 ワークショップ風景
写真・5 今回のワークショップで一番個性的だった人形。参加者さんは、子供のための音楽ワークショップをされていて、この人形もワークショップで使われるそうです。手に血が。。おさげが。。。


「国際姉妹都市祭 in 京都駅ビル2016」

ファイル 250-2.jpgファイル 250-1.jpg色々と書きたいことがあったのですが、いつも通りバタバタしている感じです。

遅くなってしまいましたが、告知があります!

京都・プラハ姉妹都市提携20周年記念事業、「国際姉妹都市祭 in 京都駅ビル2016」にて、ミニ・パフォーマンスを上演します。「赤ずきん‐姉妹都市バージョン」と銘うって、役者・谷口直子さんと一緒にパフォーマンスします!!!

私をご存じの方ビックリ!かもしれませんが、舞台に出ます。私にとっては、めちゃめちゃ大きな挑戦になりそうです。

2007年9月にチェコへ来たので、今年の9月で丸9年になります。チェコへ来てから、人形劇の世界に入り、今日まで邁進してきましたが、こういった20周年の記念事業に呼んで頂けて、本当に嬉しいなと思いました。

役者・谷口直子と、いつも裏方の私が、どういったパフォーマンスをするかは、ぜひ、9月25日京都駅、駅前広場にお越し頂けたらと思います。1回目の公演は、13:10、2回目の公演は15:40からです。

また 、9月28日から10月1日まで、東京シティアイ・JPタワー・KITTE地下1階にて開催予定の「チェコフェステバル2016」(>web)にて、人形作りのワークショップをします。

私の参加は、9月30日のみです。当日席もご用意していますが、数に限りがありますので、ご予約してくれた方を優先に参加を募りたいと思います。①10:00~②13:00~③16:00~ ご参加希望は、当ホームページのコンタクトよりメールでお願いします。平日なので、どれぐらいの方がお越しくださるか、ちょっと不安ですが、皆さまのお越しを心よりお待ち申し上げます。


「Misterious Lake」!!

ファイル 249-1.jpgファイル 249-2.jpg去年Stony Brookで上演された「Mieterious Lake」が、Long island Children's museum(>web)にて、7月29日から8月4日まで再演が決まったため、7月11日から、7月31日までアメリカ・ニューヨークに行っていました。滞在中、ブログをアップしたいと色々書き留めていたのですが、毎度のことで無理でした。。

今回の「Misterious Lake」!!

演出家の芦沢いずみさん以外は、プロデューサーも役者さんも全員違い、劇場の形状大きく異なるなど、細部を変えていったので、新生・Misterious Lake になりました。キャストが若い子が多かったので、リハーサル中に役者的に大きく成長していく過程が見られたのも面白かったです。特に、今回主役をやっているMeghanの活躍・成長ぶりは素晴らしく、ニューバージョンには欠かせない役者さんだったなと思いました。

前回はもっと大人向けな詩的なシーンも多く入っていたのですが、今回は、子供が楽しめるよう、色んなシーンでアイデアが足されました。7月29日に再・プレミアを迎え、私はプラハへ帰ってきましたが、帰るまでに3回上演を見ることができて、子供たちのいいリアクションが見れて凄く良かったです。公演前は、アメリカ人の子はどんな反応するんだろう?と思っていましたが、子供に国籍なんてないなと感じました。

そして、「Mysterious Lake」のおかげで、アメリカ滞在は、今回で3回目になりました!材料も含めて、状況とかアメリカ人の対応とか、なんとなく慣れてきたので、制作ペースは良かったように思います。

Long island Children's museumは、Long island鉄道のMineolaという駅から車で15分の場所にあります。お世辞にも、いい場所にあるとは言えない所で、周囲には何にもなく(車に乗れば、近くにアメリカで5番目に大きいショッピング・モールや、大型スーパー、ホームセンターなど沢山あるのですが)突如、ミュージアムがあるといった印象で。何よりミュージアムに辿り着きたかったら、車でしか行けない所にあるにも関わらず、バスなどの公共交通機関が全くないのです。毎日、プロデューサーのジムさんの送り迎えに頼るか、ダメな時はタクシーを利用していました。日本人的感覚からすると、子供のためのミュージアムなのに何故?ってなりますが、車社会のアメリカではよくあるみたいです。しかも、かーなり、辺鄙な場所にも関わらず、夏休みとあってか連日駐車場は満車で物凄く人気な施設なのです。施設内も劇場もあり体験型のセクションに分かれた様々なコーナーがあり、子供の遊び場にはもってこいだなと。

今回は、昨年工房の問題で出来なかったドラゴンの身体作りをメインに、井戸、お稲荷さん作りなどがありました。施設の使用時間に制限があったので、毎日フル集中している状態で、ドワ――っと製作していました。制作ペースは良かったのですが、制作した物がどれもこれも大きかったので、最後の方は、本当に漫画みたいに手を動かして作っていました。帰る時は、毎回ヨレヨレな感じでした。。。

アメリカ滞在は、演出家いずみさんのお宅に宿泊させてもらっていました。私的には、いずみさんとの共同生活は3回目で、プチ・ニューヨーク生活を体験できたわけですが、疲れていたにも関わらず、めちゃめちゃ面白い毎日でした。ほとんど、小学生と変わらないような会話内容だったのではないかと思います。前回に引き続き、私といずみさんは、よく昔話をするなと思いました。お互い、忘れている部分の記憶や感覚を呼び覚ますような会話内容がメインだった気がします。

ファイル 249-3.jpgファイル 249-4.jpgとにかく、ストイックないずみさん。

アメリカ滞在の前2回はホテルでの生活だったのですが、その時も、どんなに体力的に辛い時でもホテルにあるジムに通っていたのですが、今回も毎日電車に乗ってジムへ通っていました。(家の近所ならまだしも、行くまでで結構かかるのです。)毎朝、いずみさんは起きたら寝ぼけ眼のまま準備をして15分後には、ジムへ行く感じでした。私は、そんないずみさんを、寝ぼけ眼で見送りながら、朝食取ったりシャワー浴びたり掃除したりで、1時間半後ぐらいに家を出ていました。そして、ミュージアムがあるMineola駅で待ち合わせする感じでした。

とにかく、毎日ジムへ行くことが大切みたいで、プレミア前は、リハ後、私の作業を手伝ってくれていたので、帰宅が朝3時過ぎになることもあったりしたのですが、それでも、朝6時半に起きてジムへ行って、その後、リハや公演に臨む感じでした。。劇場に着けば、まず舞台裏も含めて1人で雑巾掛け。その後リハーサル。いずみさんも出演しているので、演出しながら、動きながら、怒涛の時間を過ごされて、リハ後は私の作業の手伝い、帰りは夜遅くなるといった毎日でした。

いずみさんは、中学高校と英語で上演する演劇倶楽部に所属していたそうなのですが、モーツァルトの役をもらった時、高校生いずみさんは、モーツァルトが作曲した曲を全部聴いて役作りをしたそうです。やるなら、徹底的ないずみさん。そんな性格だったから、日本に在住しながら、ストレートでイェール大学に入れたのだろうなと思いました。いや、本当にまねできないストイックさだなと、間近で生活スタイルを見てしみじみ思いました。。

逆にオフ時のオフも徹底的で、特に家事全般とか、全くされない感じなのです。なので、家の調理道具が殆どなく、包丁1本とパスタを茹でるような大鍋1つと、長いこと使われた形跡を感じさないフライパン2つ。滞在が長いので、自炊をしようとしたら、まーこれが大変でした。。今年、写真家のはちゃんの家に滞在したときは、のはちゃんの料理上手さに、自分自身恥ずかしくなるものがありましたが(のはちゃんの料理の上手さは、味付けということだけではなく、料理の手際の良さが半端なかったのです。)、今回はなんだか妙に自信をつける結果になりました。(その自信は、まがい物だとは理解しています。。)

朝起きてノンストップで、仕事して帰ると深夜で。最後の方は、私もいずみさんも奇声的効果音?での会話が成り立っていました。

ファイル 249-5.jpgそして、再・プレミア公演。

今回、特に面白かったのは、上演前に、龍の行進をミュージアム内でやったことでした。大きな龍の行進を見ている子の濁りのない「ウワ――」って顔を見るだけで、なんか本当に涙がでそうになりました。公演中も含めて、子供たちの純粋なリアクションを見れるだけで、全部疲れがふっとびました。

また、ミュージアムならではだったのが、公演後に司会のCindyさん(黒人のおばちゃんの方だったのですが、この方が本当にいい味をだしていました)が、キャストを上手に紹介したり、観客に質問できる時間をつくっていることでした。また、「Misterious Lake」をより理解するためにStudy Gide(Cindyさんが制作しました)というプログラムを作っていて、劇について予習・復習ができるところもいいなと思いました。。(>web)

また、今回、本当に感謝しなければならないのは、プロデューサーのジムさん。ジムさんのおかげで、「Misterious Lake」は新しい形でまた世の中に生まれることができ、これからの可能性にも繋がりました。演出家のいずみさん以外では、今回一番コミュニケーションをとった方でした。もともとは、大学の演劇学部で舞台装置の工房、大道具のテクニカル的なものを教えていたジムさん。私の作業ペースを逐一チェックしては、軽いアメリカン・ジョークを飛ばしつつ、私の要求する素材や道具もなんでも、オン・タイムで準備してくれました。いいペースで制作できたのも、彼のサポートのたまものだったと思います。

「Misterious Lake」の公演は、今回は、Long islands children's museumにて8月4日までの上演ですが毎日2回公演が続きます。お客さんのリアクションも上場のようです!!ニューヨークご在住のお知り合いがいらっしゃいましたら、ぜひ、お知らせ頂けると嬉しいです!

写真・1 アメリカ・ニューヨーク!!
写真・2 稲荷と舞台と。
写真・3 稲荷に似ている演出家いずみさん。
写真・4 制作中
写真・5 人形を含めての集合写真。


「ゴーレム」!!

ファイル 246-3.jpgファイル 246-2.jpgファイル 246-4.jpg遅くなってしまいましたが、6月12日に無事に「ゴーレム」千秋楽を迎えました。

本当に沢山の方々に「ゴーレム」公演にお越しいただき、感謝の気持ちで一杯です。いつも、展示の際にお越しくださる方々、美術・演劇系の尊敬する先輩アーティストの方々、同世代アーティストの方々、新聞・SNS等の情報でお越し頂いた方々、懐かしい友人の面々などなど、沢山の方々に会えたことで、「ゴーレム」製作の疲れを吹き飛ばすほど、元気になりました!

そして、遠方からも沢山の方々に来て頂きました。山形や滋賀、長野、岡山、広島、兵庫、北九州。。 感謝し尽くしても足りません。本当に、本当に、ありがとうございました!

また、色々と紆余曲折もあり大変な長い道のりでしたが、「ゴーレム」のプロジェクトに参加できる機会を与えて下さった一糸座の皆さまに、心から感謝申し上げたいと思います。
この経験を、これからの活動に活かせていければと思います。

今回の日本滞在は1か月10日間でしたが、ほぼ「ゴーレム」一色でした。書きたいことも沢山ありましたが、毎日めぐるましく変化する状況に、全身で身をゆだねるような感じでした。

「ゴーレム」は私にとって、日本で初めての演劇現場でした。今回の仕事において、私は日本の方々とチェコの方々の橋渡し役として、オーガナイズや通訳等を行い、同時に劇中に用いる人形の作製も致しました。多岐に渡る仕事内容を上手く回さなければならず、大変な一面もあるものの、良い勉強となりました。

演劇現場の流れや演劇用語等(チェコ語ではわかるのに、日本語でわからないというおかしい状況になっているのです…)わからない事も沢山ありました。しかしながら、今回ご一緒させて頂いたスタッフの皆様、演劇現場の先輩方々に本当に沢山助けて頂いたと感じます。

そして、「ゴーレム」!!

今回は、KAATにて、10回公演があったのですが、私は9公演(なぜ1回少ないかといいますと、理由はこちらから!(>web)役者・谷口直子、本当に面白すぎです!)、観客席に座り観劇しました。ヨーロッパにおける公演は、基本的に初日(プレミア)の公演までが私の仕事です。初日が開けてからは、定期的に劇場で上演が続き、初日後も機会があれば見るような状況です。日本の公演では初日が開けた後、一気に千秋楽まで上演が続きます。

リハーサルではなく、連日同じ演目の上演を見るのは初めてだったため、とても興味深かったです。改めて、『演劇』は、1回1回の公演が独立した生き物のような、毎回本当に違う顔を見せるものだなと感じました。映像でも写真でも留めることのできない、刹那な美しさを持っているなと。感動の一瞬を覚えておきたいのであれば、脳裏に刻むしかないと。

記憶にとどめておきたいシーンが本当に沢山ありました。始まりのシーン。一糸さんの操るシーン。ラスト‐寺十吾さんの演技。ネタバレになってしまうので書けないですが、何か所も一生覚えていたいシーンがありました。心高鳴る瞬間といいますか。

そして、何回見てもあきなかったのは、演出家・天野天街さんの演出によるところだと思いました。

演出家・天野天街さん。名古屋を拠点に演劇活動をされ、劇団少年王者舘を主宰されています。

天野さんの台本が遅いということは、演劇界では有名な話のようですが、本当に色々と度肝を抜かれることは沢山ありました。トラウマを越えてネタに近い経験ともいいますか。制作現場での裏話なのであまり詳しく書けませんが、イメージ的には、昭和のドラマで見るような売れっ子で、癖のある小説家さん。人気だけども書くのは凄く遅く、常に編集者の人に追われているみたいな。そんな感じで、締め切り間近に小説家の置手紙(ちょっと、旅に出る…的な)を見て編集の人が「先生――!!!」と悲鳴をあげている的な感じといいますか。(もちろん、天野さんは逃亡などしていませんが)

天野さんとは初仕事だったので、ペースをつかむまでに大変でしたが、それでも、原作「ゴーレム」の世界観や、部分演出をしたゾヤサンの想いやアイデアなど全部を吸い込んで、天野さん独自のフィルターを通して、ギリギリのところで一つの話を生み出していく過程は凄かったです。

本当にただただ「凄い」というしか言えないような時間でした。その緊張感のある創造過程の中で一緒に仕事ができたのは嬉しかったです。再演の可能性が高いので、詳しい内容を書くのは控えようと思うのですが、私にとって大変意味のある作品になったと思います。

グスタフ・マイリンク氏の原作「ゴーレム」の中に、「ぼくは、寝っても覚めてもいない」という一節があります。部分演出をしたゾヤさんとも、この一文から受けるインスピレーションから、色々なアイデアを出した箇所でした。当初は、主人公の現実と夢の境目がわからない状況をイメージしていたのですが、天野さん演出「ゴーレム」の公演を見た後では、「寝っても覚めてもいない状態」は、今という時系列が曖昧な『人形』が持つ時間でもあるなと感じるようになりました。

『人と人形、人形と人形遣いの関係。操る―操られるということ。』人形を作る人間としては、本当に考えさせられるテーマが盛りだくさんでした。

そして、人形作家として、念願の一糸さんの遣う人形を作ることができました!!
作家として、本当に嬉しい経験でしたし、沢山の反省点もありました。作家として、もっともっと精進していかなければと感じました。そして、またチャンスがあれば、個人的には、もっと色々なことに挑戦したい!!と思いました。

一糸さんの操る人形を見ていると、自分が作ったものではないような気持ちなります。それぐらい、自分とはかけ離れたところで生命を得ているというか、もう作った私の手を完全に離れた存在になっているのです。不思議な感覚ですが、人形に入っている感情が、作り手のものよりも、遣い手のエネルギーのが勝っているということなのかもしれません。

ファイル 246-5.jpgファイル 246-1.jpg今回「ゴーレム」は、キャスト・スタッフ含めて、総勢30名に近い数でした。

大勢で一つの物を作るというのは容易なことではありません。自分の思うように作りたいのであれば、個人で作るほうが絶対に楽です。それでも、大勢でないとできないことが確実にあります。稚拙な表現ですが、魔法のような力が演劇現場には潜んでいると思うのです。それが、私自身、初日があくまでの仕事のカオスさから、「もー、演劇はこりごり!」と毎度思うのですが、幕があいてしまうとそういった思いが一気に吹き飛んでしまうのです。

「ゴーレム」を一緒に作り上げていったメンバーの方々、本当に素敵な方が一杯でした。普段そんな泣かない私ですが、演技を見て涙が出てしまった俳優・寺十吾さん。舞台上でも舞台裏でもキラキラだった女優・月船さららさん。一つ一つに物語を感じる曲を作られる、音楽の園田容子さん。ここでは、書ききれないですが、凄く個性的な方が多い刺激的なチームでした。

気持ちがまとまりきらないまま、ドバーーっと書きました。乱筆のまま長文を書いてしまいましたが、ご拝読ありがとうございました!

「ゴーレム」がまた、いい形で生まれかえることを祈っています。

写真・1 KAAT会場にて。
写真・2 舞台裏!
写真・3 舞台裏・2 私は、舞台裏で出番待ちしている人形の顔が一番好きです。
写真・4 集合写真!!
写真・5 プチ・集合写真!!!


「ゴーレム」

ファイル 245-1.jpgファイル 245-3.jpgファイル 245-2.jpgファイル 245-4.jpgファイル 245-5.jpg5月6日から日本へ帰ってきているのですが、あれよあれよと3週間経ってしまいました。いつものことですが、バタバタした生活が続いています。。

現在は、6月5日から12日にKAAT(神奈川芸術劇場・大スタジオ)にて公演の「ゴーレム」を鋭意製作中です。一昨日より、チェコ人の演出家ゾヤ・ミコトバーさん、役者のパベル・プロハースカさん、クリスティーナ・フルツォバーさんが、リハーサルに合流しました。

「ゴーレム」は、今回、演出家の天野天街さん、演出助手の井村昴さん、一糸座の皆さん、俳優の寺十吾さん、女優で元宝塚の月船さららさん、演奏の園田容子さんなど、個性的な方々が沢山プロジェクトに参加されています。ザザッと数をかぞえただけでも、製作側のスタッフも含めて24人の大所帯です。私にとっては初めての日本での演劇プロジェクトでドキドキでした。さらには、今回のプロジェクトは、ゾヤさん以外は、皆さん初めて一緒に仕事をする方々で、その辺のコミュニケーションもドキドキでした。

天野さんの演出、言葉・韻をもじった台詞回しは本当に凄いです!また、園田さんの音楽が、日本とチェコの演劇パーツを凄くつなぎ合わせているように感じます。天野さんとゾヤさんのアイデアがどういう感じで混じりあっていくのかも、楽しみです!

「ゴーレム」の企画自体がでたのは、2014年の確か春頃だったのではないかと思います。日本―チェコ共同企画というのと、360年以上の糸操り人形の伝統が続く一糸座さんとのコラボということで、すぐにやってみたいな!と思いました。現実に形になるまで、本当に色々とありましたが、こうやってリハーサルが始まって、毎日色んなことが前進して形になっていく感じが凄く楽しいです。プレミアまで残すところの時間も少ないですが、いい作品になるよう全力を尽くしたいと思います。

余談ですが、今日、リハーサルで一糸さんが、私が製作した頭の人形を操られている姿を拝見して、ぞくぞくぞくーーっとしました。こういう瞬間の感動が、辛かったりな記憶をかき消して、また作りたいって気持ちにさせているのだと思います。

ぜひぜひ、「ゴーレム」お越しいただけると嬉しいです!チケットのご予約は直接一糸座さんへのメール( isshiza@gmail.com )か、私にメールにてご一報ください。

また、「ゴーレム」の公演にともなって、5月30日19時より、チェコセンターにて「人形劇をめぐるトークショー&ミニパフォーマンス」と題し、演出家ゾヤさんの講演+ミニパフォーマンス、ミニ・コンサートがあります。(>web)お申込は、チェコセンター(cctokyo@czech.cz)まで。

写真・1 初顔合わせ
写真・2 チェコチーム合流!リハーサルは、日本語、チェコ語、英語、フランス語(ゾヤさんと、女優の横田桂子さんがフランス語を話されます)が飛び交っています。
写真・3 人形頭一部、数は数えてないのですが、今回20体以上は製作しています。
写真・4 先月の写真になりますが、登場する人形の製作過程です。
写真・5 人形の一部!


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