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近況報告・6月

ファイル 276-1.jpgファイル 276-2.jpgファイル 276-3.jpgファイル 276-4.jpg前回ブログをアップしてから、だいぶ大分時間が経ってしまいました。

日本から帰国後は、今秋に向けてのいくつかのプロジェクトに動いています。この夏はその中の1つ、9月16日ポーランド・スウプスクTeatr Lalki Tęcza(Tęcza人形劇場)にてプレミア予定の「長靴下のピピ」がメインの仕事になりそうです。先日、顔合わせもかねて劇場に打ち合わせに行ってきました。

この劇場へは昨年、沢さんのワークショップの際にも行ったのですが、とにかく遠いのです。昨年は、沢さんが所属するプロダクション・マネージャーが運転する車で行けたので、最短距離、最短時間で行けましたが、それでも700キロ。今回は私一人でたどり着かないと行けなかったので、公共の交通手段を使い3回乗り換えて、14時間。早朝にプラハを出て、夜スウプスクに着いた時には、北島三郎さんの「はるばる来たぜ 函館~(ならぬスウプスク)」のコーラスが、なんとなく頭にこだましていました。乗車時間だけでいけば、日本へ行くのと同じだなあと。

Tęcza人形劇場。2013年に制作した「トリスタンとイゾルデ」の演出家ミハルが劇場支配人になった劇場です。彼が支配人になる前までは10年間1作品も新作が作られず、レパートリー作品の繰り返し上演という感じだったようです。昨年トップになってから、6作品の新作と、劇場のリフォーム、前回沢さんと行ったフェステバルやワークショップなど、かなり精力的、革命的に盛り上げています。

「長靴下のピピ」
物語の存在は知っていたのですが、実際に読んだことなかったのです。そして、読んでみてビックリ!!凄く素敵なお話で、子供の頃読んでいたかった本だなと。アイデアの話につきあってもらうため、役者の谷口さん(チャークさん)に電話でそのことを話したところ「ゆみさん(チャークさんには、ゆみさんと呼ばれています)向きのタイトルやね!」と言われて、「そー言われれば、たしかに!?」と。そんな部分も含めて、ミハルにどういう経緯で新作作品がピピに決まったのか聞いたところ、私に向いているからだよとサラッと言ってくれて。演出家から言われていたタイトルが、劇場側の意向で変更したことは多々ありましたが、舞台美術の人間がタイトルに影響することはほとんどない事なので素直に嬉しかったです。頑張らないとだなと!

演出家のJacek Popławski氏(以下、ヤチェック)とは、5月中旬あたりから打ち合わせを初めています。ヤチェックとは数年前から顔みしりではあったのですが、実際に会って話したことがあるのは3回ぐらいなので、お互いのバックグランドもわからない状態での初タグです。

週2,3回のスカイプでの打ち合わせが続いていますが、最初の頃は慣れない英語とお互いのペースになれるのに時間がかかりましたが、先日スウプスクで直接打ち合わせができて、ストンと落ち着いたような気がします。

ファイル 276-5.jpg人形作家としての仕事と、舞台美術家としての大きな違いは、人形作家は個人の世界で完結できること。舞台美術家は、演出家の哲学、コンセプトに寄り添い共同制作をしていくことだと思います。人によっては現場では演出家(夫)を支える美術家(嫁)みたいな関係性をいいますが、私自身のイメージでは、武将と馬みたいな感じです。言い方が極端ですが、演出家の戦いに自分も全力で挑めるか、一緒に突っ走ていけるかみたいな。「仕事」なのだからと言われても、感覚的に突き動かされる動機、感動がなければ、本気で動けないものだと思うのです。

まだまだ立ち上げ段階で、これから一山二山どころでない山が待っていると思いますが、演出家ヤッチェクの感覚は、十分に私の感覚を突き動かしてくれています。いい作品になるのではないかと思っています。
 

写真・1 ピピスケッチ
写真・2 チビ人形
写真・3 チビ人形2
写真・4 Ruměnice pospolnáという背中が骸骨っぽい面白い虫。春になると沢山出てきます。
オマケ漫画・初めての趣向ですが、文章にできない日常生活の一コマを漫画にしてみました。