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PIPI初演!!!

ファイル 282-1.jpgファイル 282-2.jpgファイル 282-4.jpgファイル 282-5.jpgファイル 282-3.jpgかなり困難なプロジェクトでしたが、9月16日「長靴下のピピ」は、スウプスクのTęcza人形劇場にて無事にプレミアを迎えることができました。良い作品に仕上がったので、本当に苦労が報われたなあと…。

初めて競演したJacekは本当に素晴らしい演出家でした。作曲家のPavelが作曲した音楽も劇全体を非常に盛り上げたと思います。今回、彼らとチームとして仕事ができたことは、とても良い経験となりました。

とにかく、実演までが短期間であったこと。「ピピ」のお話自体が凄くシーンも登場人物も多く、どうまとめても、作り物が多くなってしまうこと。劇場側の照明のリフォーム工事により、慣れない機材でスタッフ側のミスが増えてしまったこと。工房で作った大道具も何度も修正が必要だったことなど、多方面で、越えるべき課題が多々あった現場でしたが、一緒に乗り越えられた達成感は大きかったです。

プレミア後、Jacekと「こんな無理な現場、初めてだね…」と、話しました。これまで、どの現場でも、色々な困難がありましたが、今回の「ピピ」も私の経験の中でも大変だったという意味では、3本指に入ると思います。

今回の「ピピ」は、演出家Jacekの統率力と、女の子が主人公ということも影響してなのか、女性が活躍したことが成功に大きく影響したと思います。本公演に出演している女優5人や、工房における女性3人は目覚ましい活躍をしてくれました。

私自身は、工房に勤めている6人に仕事を割り振りながら大道具・人形・小道具・衣装を制作・準備を行う必要がありました。その中で、バーシャさんというおばあさんの人形職人さんは、素晴らしい技術と忍耐力、完成度を上げてくださる方でプラハに連れて帰りたいぐらいでした。他の女性達も、短期間で物凄い量の仕事量でしたが、全力でバックアップしてくださいました。

男性たちも頑張ってくれましたが、私自身仕上がりに対して満足できないこともあり、ここまで、厳しくダメ出しを言うのも初めての現場でした。10年間、こちらの劇場で働いて、出来上がった大道具を、壊させて作り直すという指示をだしたのも初めてでした。

もう、ここに書けないぐらい様々な舞台裏の人間ドラマがありましたが、いい作品に仕上がったことで、全部の気持ちが昇華されたといいますか、良かったなって本当に思います。この夏は、ずっとポーランド生活も続き、劇場の人達とも仲良くなり、結構ポーランド語も覚えだしましたが、ここで一区切りです。ピピが、これから沢山の場所で上演されることを祈っています。

ちょっと感傷気分でプラハに(1日かけて、、この移動も今回大変でした)帰ってきましたが、1日おいてバッタバッタのまま日本に来ました。気持ちを休める暇もなく次は「ゴーレム」(9月28日―10月1日座・高円寺)です!!!

ぜひ、お越しください!!!

写真・1 Photo by Magda Tramer
写真・2 Photo by Magda Tramer
写真・3 Photo by Magda Tramer
写真・4 ピピ・ワンシーン
写真・5 今回制作した人形達


お知らせ!

ファイル 281-5.jpgファイル 281-1.jpgファイル 281-2.jpgファイル 281-3.jpgファイル 281-4.jpg今月の陸路の移動距離は、自分自身の人生の中で一番と確信もてるぐらいアチコチに移動しています。色んな現場が重なりかなり混戦模様でして、お知らせが遅れてしまいました。。

最初に、ポーランド、スウプスクのTęcza人形劇場にて9月16日にプレミア予定の「長靴下のピピ」は現在最後の仕上げに向けて修羅場と化しています。今まで色んな現場で色んな人達と仕事をしてきましたが、Tęcza人形劇場の工房の方々はその中でもそれぞれの個性がかなり強いです。プレミア後書けたらいいなと思いますが、本当に舞台裏で起こっていることのが、ザ・人間ドラマといいますか、実際の舞台よりも劇場的な時といいますか。とにかく、初演まであと数日ですが、いいプレミアを迎えられるよう全員で突っ走らないとです。

2つ目に、福音館書店のかがくのともより「つくってあそぼう!あやつりにんぎょう」という本をださせて頂きました!!!私にとっては、初めての本です!!最初に編集者の田中さんと会ったのは2014年の秋でした。その頃から、日本帰国時の度に打ち合わせをして、やっと1冊の本が完成しました!ぜひ、皆様お近くの本屋さんで見つけてみてください!!!

絵を描かないわけではないですが、イラストを作品として発表していない私としては、多方面で勉強になる経験でした。そんな全くもってど素人な私を辛抱強く導いていってくれた田中さん、ものすごく頼りになったデザイナーのたかのはしまいこさん、この場を借りして御礼申し上げます。

本誌は、5歳から6歳に向けての本だったので技術的な制約が沢山ありました。なるべく多くの種類の人形の作り方を載せて、作った人形で、実際に操って遊んでもらえることを願って制作しました。一番のモチベーションだったのは、もうすぐ5歳になる天使な姪っ子が読んでくれる本を作れたらいいなという事でした。本誌に登場するタコ、いぬ、キリンの人形など実際に作ってくれて写真が送られてきたときは、嬉しくてホロっときました。また、福音館書店さんあてに、本の感想のお手紙が届き読ませて頂きました。こういう形で読者の方から反応があるというのは、私自身初めての体験なので本当にドキドキしています。

また、本の出版を記念して、中乃波木さんこと、のはちゃんと、「Noha本×Yumi本」と題し、2日間限定のイベントを企画しています。偶然にも今年、のはちゃんも初の絵本を出版したので、これは何かの縁だし楽しいことができたらいいねといった感じで話が始まりました。いつもであれば、のはちゃんは写真、私は人形の展示をしていますが、今回はいつもとは違った絵本の世界を楽しんで頂ければと思っています。9月23、24日 会場:ギャラリーおばあちゃん家 世田谷区北沢2-27-15フラットしもきた1F 時間:10時から19時まで(DMご希望の方は、ご連絡下さい)

そしてそして、最後のお知らせは、昨年KAATにて初演を迎えた「ゴーレム」が、また座・高円寺で再演が決定しました!!9月28日から10月1日です。チケットのお問合せは、一糸座さん(>web)か私にメールを頂ければと思います。また、再演を記念して、チケットをご購入された先着50名様から抽選で「Noha本×Yumi本」のイベント内で、チェコお土産、またはゴーレムグッツをプレゼントします。特賞としてご用意していますのは、ゴーレムの絵本2冊、シナゴーグでユダヤ人のおばあさんから買ったお皿3枚。プラハで購入したファティマの手です。(抽選はあみだくじでいきたいと思っています!)もう、ネットで買ってしまったよ!という方がいましたら、ぜひご連絡頂ければと思います。

ピピの初演が終わったら、すぐに日本です。沢山の方に会えるのを楽しみにしています。


「長靴下のピピ」

ファイル 278-1.jpgファイル 278-2.jpgファイル 278-3.jpgいつも、どうにもならないような忙しい状況の時や、様々な事が同時多発的に起こっている時、そういう状況を切り抜けながら走っている自分は、「ダンス」をしているみたいだなと感じます。踊るといっても、フィジカル的ではなく、精神的に踊っている感じだなと思います。状況と時間と共に踊っていたり、一緒に仕事をしている人とつかの間ではありますが、仕事の完成に向けて、互いに精神的にダンスをしているような感じ。特に今回の現場は、色んな人間模様があり、いつもより一層強くそう感じさせるなと。

私を取り巻く状況は、日々変化していますが、現状では9月16日初演予定の「長靴下のピピ」に向けて、まっしぐらです。今回の現場は、ポーランドということもあり、言語の問題も大きいです。(遠さも大きな問題ですが…)

Tęcza人形劇場では、英語・ポーランド語・チェコ語が飛び交う混戦した現場になっています。当劇場は、30人ぐらいが働いているのですが、英語が話せない人が結構いるので、チェコ語とポーランド語で。両言語の間で似ている言葉だといいのですが、コミュニケーションを図る上で、全く異なる大事な言葉は、結構覚えたなと…。とにかく、精神的に歩み寄りながら、私のペースについてきてもらうしかない!といった感じです。ポーランドの現場の方々とお互いに慣れるのに少し時間がかかりましたが、工房の人達と舞台成功へ向けて、気持ちがまとまった感覚になったのではないかと思います。8月16日からリハーサルがスタートし、現在ではリハーサルと、制作物―大道具・人形・小道具・衣装、フル活動で準備しています。

色々と書きたいことがありましたが、渦中にいるときは感覚が全くまとめられません。。越えるべき山は、沢山ありますが、いい作品になると確信しています!

おまけ小ネタですが、ポーランド滞在中前半は風邪をひいてしまい、かなり体調を崩しながら仕事をしていたのですが、ミハルの奥さん、マグダがGrzaniec(グジャニエツ)という、ホットビールを作ってくれました。温かいビールと聞いて、ビール好きの人には、あああ、、って思われるかもしれませんが、ショウガやシナモン、カルダモンなど、ホットワインにいれるスパイスを沢山いれてくれて、驚くほど効きました。味は、ビールと考えると気持ち悪くなりますが、ホットワインのようなノリで飲めばそこそこな味でした。


追悼

ファイル 277-1.jpg「運命」という凄く魅惑的で夢想的な言葉は好きですが、何でも物事を運命で片づけてしまうのは個人的には好きではありません。なんか、運命という言葉を使ってしまうと、その過程まで歩んできた小さな1歩1歩が全部消去されたみたいな気がしてしまって。

それでも、今まで歩んできた道、考え方を、全く別の方向、違う視点へと持って行ってくれるような大きな分岐点を作ってくれた人、自分の人生にとって激しく大きな影響を与えた人との出会いは、「運命」の出会いだっただろうとも思ったりもします。

そんな、私自身の人生を大きく動かしてくれ、一生尊敬する対象であり、0から演劇の世界のいろはを教えて頂いた師であり、DAMUの教授であり、世界中の舞台美術家達から賞賛を集め、チェコの人形劇の黄金時代の立役者であった、舞台美術家ペトル・マターセク氏が7月25日19時半に永眠されました。

悲しすぎて、寂しすぎて、何をどこから書いていいのかわからないような気持ちです。

謹んで哀悼の意を表します。


近況報告・6月

ファイル 276-1.jpgファイル 276-2.jpgファイル 276-3.jpgファイル 276-4.jpg前回ブログをアップしてから、だいぶ大分時間が経ってしまいました。

日本から帰国後は、今秋に向けてのいくつかのプロジェクトに動いています。この夏はその中の1つ、9月16日ポーランド・スウプスクTeatr Lalki Tęcza(Tęcza人形劇場)にてプレミア予定の「長靴下のピピ」がメインの仕事になりそうです。先日、顔合わせもかねて劇場に打ち合わせに行ってきました。

この劇場へは昨年、沢さんのワークショップの際にも行ったのですが、とにかく遠いのです。昨年は、沢さんが所属するプロダクション・マネージャーが運転する車で行けたので、最短距離、最短時間で行けましたが、それでも700キロ。今回は私一人でたどり着かないと行けなかったので、公共の交通手段を使い3回乗り換えて、14時間。早朝にプラハを出て、夜スウプスクに着いた時には、北島三郎さんの「はるばる来たぜ 函館~(ならぬスウプスク)」のコーラスが、なんとなく頭にこだましていました。乗車時間だけでいけば、日本へ行くのと同じだなあと。

Tęcza人形劇場。2013年に制作した「トリスタンとイゾルデ」の演出家ミハルが劇場支配人になった劇場です。彼が支配人になる前までは10年間1作品も新作が作られず、レパートリー作品の繰り返し上演という感じだったようです。昨年トップになってから、6作品の新作と、劇場のリフォーム、前回沢さんと行ったフェステバルやワークショップなど、かなり精力的、革命的に盛り上げています。

「長靴下のピピ」
物語の存在は知っていたのですが、実際に読んだことなかったのです。そして、読んでみてビックリ!!凄く素敵なお話で、子供の頃読んでいたかった本だなと。アイデアの話につきあってもらうため、役者の谷口さん(チャークさん)に電話でそのことを話したところ「ゆみさん(チャークさんには、ゆみさんと呼ばれています)向きのタイトルやね!」と言われて、「そー言われれば、たしかに!?」と。そんな部分も含めて、ミハルにどういう経緯で新作作品がピピに決まったのか聞いたところ、私に向いているからだよとサラッと言ってくれて。演出家から言われていたタイトルが、劇場側の意向で変更したことは多々ありましたが、舞台美術の人間がタイトルに影響することはほとんどない事なので素直に嬉しかったです。頑張らないとだなと!

演出家のJacek Popławski氏(以下、ヤチェック)とは、5月中旬あたりから打ち合わせを初めています。ヤチェックとは数年前から顔みしりではあったのですが、実際に会って話したことがあるのは3回ぐらいなので、お互いのバックグランドもわからない状態での初タグです。

週2,3回のスカイプでの打ち合わせが続いていますが、最初の頃は慣れない英語とお互いのペースになれるのに時間がかかりましたが、先日スウプスクで直接打ち合わせができて、ストンと落ち着いたような気がします。

ファイル 276-5.jpg人形作家としての仕事と、舞台美術家としての大きな違いは、人形作家は個人の世界で完結できること。舞台美術家は、演出家の哲学、コンセプトに寄り添い共同制作をしていくことだと思います。人によっては現場では演出家(夫)を支える美術家(嫁)みたいな関係性をいいますが、私自身のイメージでは、武将と馬みたいな感じです。言い方が極端ですが、演出家の戦いに自分も全力で挑めるか、一緒に突っ走ていけるかみたいな。「仕事」なのだからと言われても、感覚的に突き動かされる動機、感動がなければ、本気で動けないものだと思うのです。

まだまだ立ち上げ段階で、これから一山二山どころでない山が待っていると思いますが、演出家ヤッチェクの感覚は、十分に私の感覚を突き動かしてくれています。いい作品になるのではないかと思っています。
 

写真・1 ピピスケッチ
写真・2 チビ人形
写真・3 チビ人形2
写真・4 Ruměnice pospolnáという背中が骸骨っぽい面白い虫。春になると沢山出てきます。
オマケ漫画・初めての趣向ですが、文章にできない日常生活の一コマを漫画にしてみました。


母の日

ファイル 275-1.jpgファイル 275-2.jpgファイル 275-3.jpgファイル 275-4.jpgプラハに先週末、帰ってきました。

日本滞在は毎度のことですが、バタバタしていまして、なんだかあっという間の1か月でした。普段、引きこもって仕事をしているので、沢山の人に会えて本当にうれしかったです。また、今回時間の調整がうまくいかず会えなかった皆様方、次回はぜひ会いたいです!

今回「ドールアート展 in うつくしま2017」に制作した作品は、「不思議の国のアリス」をベースにしました。アリスは、私にとっては、ちょっと因縁な作品で、今まで2回ぐらいアリスのパフォーマンスの仕事の話が来ては、助成金の関係だったり、劇場側の意向で別のタイトルになったりと、制作までには至らなかったので、ずっと作りたいという気持ちが沸々としていたテーマの一つだったのです。

福島の展覧会に招待してもらえるということで、何を作ろうかと考えたときに自然とアリスを作ってみようという気持ちになりました。もっと、今の段階から作り込んで、またどこかで昇華した形で発表できればと思っています。

「ハートの女王」

私が人に会うとき、人からインスピレーションを受ける形は2通りあります。1つは、ダイレクトにビジュアル面が。2つ目は、存在自体の強さとか印象などが。ビジュアルや存在の印象が強くて大きく影響を受けてしまうと気を付けないと無意識に作る形が、繰り返す傾向にあります。その中の一人が、私にとっては、「ハートの女王」のモデルにもなっている母の存在です。

もうすぐ、母の日ですし、そんな母のことを少し書ければいいかなと。

築地生まれの築地育ちの母は、江戸っ子気質なのか、とにかく曲がったことが嫌いで、亥年ということも影響してか、本当に猪のごとく猪突猛進な性格をしています。母は厳しく、小言もかなり多いので、私は子供の頃より、ある種の防衛本能かもしれませんが、母の言うことをほとんど聞かない感じに育ってしまいました。

自分の興味をひくことしか頑張らない次女気質や、変に頑固な面もあったので、学業においても家の中のことにおいても、母が叱責するチャンスはいくらでもありました。それでも怒られ慣れると、怒られていることさえほとんど気にならくなり、これまで、数千と浴びてきた母の叱責のほとんどは、馬耳東風といいますか、石の城壁に拒まれた弓矢のごとくパラパラと落ちていく感じでした。

でも、それでも、その中でも、私の人生の中で2、3本の矢が脳天を突き抜ける威力を持ったものがあります。その矢の威力が、「強い女性=母」という私の印象を決定づけ、強い母親や女王を作る時に必ず母のビジュアルが大きく影響しているのだと思います。

そのうちの1本の矢。

私がまだ高校1年生の頃、部活動で所属していた剣道に夢中になっていた時期でした。私は、出鼻小手や、出鼻面が得意だったので、思った瞬間に体が動くよう、とにかく瞬発力を意識的に伸ばすよう稽古を続けていました。その甲斐もあり、高校に上がりたてでも試合で順当に勝てるようになり、そのことで益々、足にかかる負担を考えず練習に励んでしまったのです。そのことも原因で、左足を大きく負傷してしまったのです。

色んな整形外科に通った結果、慢性コンパートメント症候群と診断され、剣道を続けるのであれば手術。やめるのであれば、手術はしなくても大丈夫という診断を下されたのです。高1の私には、「手術」という聞きなれない言葉に大きくビビッてしまい、どうしたもんかなぁ、、と結構悩む事態に陥ったのです。

またそれと同じく、高校生になり、進路希望を美術大学にしていたので、部活動の後、美術大学受験のための予備校(デッサンなどを習う)に通いだしていた頃でもありました。子供の頃から、美術方面にいくのを疑ってはこなかったのですが、美術部や絵を学べる教室に通ったことがなかったので、本格的に美術の事が学べる状況にかなり舞い上がっていた時期でもありました。

周りくどく書いてしまいましたが、高1の私には2つの選択肢があったのです。

1つに、足の手術をして、剣道を続けること。この時、部では、関東大会出場を悲願にして、一丸となって稽古していたので、その目標に信念をささげること。

2つに、足の手術もしないで、剣道をスパッとやめて、自分の人生をかけて戦いたい分野である美術の世界に専念すること。

これには、なかなか悩みました。美術方面の先生は、浪人したくなければ部活動なんてやっている場合ではないと、脅しをかけてきましたし、大切な剣道部の仲間との悲願もありますし。また、「手術」しなければいけないという重みが、誰も私に強く意見を言える状況でなくしてしまったため、自分でどうすべきか決断しなければいけない状況でした。そんな、いったいどうすればいいか悩んでいた私に母が放った一言。

「あんた、剣道をこのまま中途半端に終わらせていいの?」

今考えても、しょせんは高校生の部活動。自分の子供が手術してまで続けるほどのことがあるのかどうか、母がどういう気持ちで放った言葉なのかわかりませんが、高校生の頃の私にとって最後まで部活動を続けることが、中途半端なところで終わるよりよっぽど大事だったのです。それでも、しなくてもいい道がある「手術」を決断しかねている私には、母自らが、手術して剣道ちゃんとやり続けろ!って言ってくれたのは、目から鱗の事態だったのです。

その言葉のおかげで、手術も無事成功し、目標にしていた関東大会にも出場でき引退まで続けることができました。

ファイル 275-5.jpg普段は口うるさいと思ってしまう母。私の年の頃の母は、もう私が6歳で、4つ上の姉が10歳。今の自分が、そんな大きな子の親になっているなんて想像もできないですし、人の子の親になっていない私には、母の持つ強さには到底及びません。でも、いつかもし子供ができたとして、自分も母と同じような状況になったとき、同じようなことを言えるかな?なんて想像します。以前、撮影していただいた「グっと!地球便」でも話しましたが、葛藤している場面でいつも母が厳しく強い言葉を投げかけてくれたんだなと。厳しさも含めて親の愛なんだなと思います。

なんだか、長ーーーくなってしまいました。思い出話を書くのは、文章能力の低い私には至難でしたが、全くもって孝行者ではない娘からの、母の日の記念になればいいなと思い書きました。ここまで読んでくださいました皆様方、本当にありがとうございました。

日本の仕事が一区切りし、これからは演劇のプロジェクト達が待っています。気持ちを切り替えていこうと思っています。

写真・1 チェコは菜の花満開です。
写真・2 どんどん巨大化していくうちのサボテンは、今年も満開です。
写真・3 ハートの女王
写真・4 ハートの女王。
写真・5 今の私と同じ年の頃(もうちょっと上かもしれませんが)の母。昭和感満載な写真だなと。


「二度目の旅」プラハ編!!

ファイル 272-1.jpgファイル 272-2.jpg福島県、Max福島にて開催されていた「ドールアート展 in うつくしま2017」は、4月22日をもちまして、大盛況のうちに無事終了いたしました。8日間の開催期間で、13000人を超す方に、ご来場頂きました!!作家さんも全国津々浦々より、お客様も九州・北海道から、お越し下さった方々が沢山いました。本当にありがとうございました。

この展覧会に参加させて頂き、多くの刺激を受けることができました。何より沢山の人形作家さんに会えたことが、勇気づけられました。展覧会主催者である大竹京先生をはじめ、福島のドールアート展実行委員会の皆様方に厚く御礼申し上げます。

日本滞在記は後日書けたらと思っていますが、今回は告知を!

5月2日、22時よりNHK・BSプレミアム「二度目の旅」プラハ編が放送されます!詳しくは、>webを!どんな放送内容になるか全くわからないのですが、チョローっと出演していると思います。撮影中、どんな感じのものを撮影しているかディレクターさんに伺ったところ、かーーなりデイープな、私も全く知らないような情報がわんさか出てくるみたいなので、プラハ旅行をお考えの方はおすすめです!!!お時間ある方はぜひご覧頂けたらと思います。

日本滞在もあと1週間になりました。アッという間だとは思いますが、残り滞在日楽しめたらと思っています。


「ドールアート展 in うつくしま2017」

ファイル 271-1.jpgファイル 271-2.jpgファイル 271-3.jpgファイル 271-4.jpgファイル 271-5.jpg福島県Max福島にて開催予定でした、「ドールアート展 in うつくしま2017」展、4月15日より大好評開催中です!!!100名近い人形作家さん、500体を超す人形が展示されています。本当に見ごたえのある展覧会になっています!4月22日17時まで開催中です!私は、最終日午後、会場に顔を出したいと思っています。ぜひ、お越しくださいませ!!

「ドールアート展 in うつくしま2017」展。

本当に色んなことがありすぎて、どこから書いていいものかといった感じです。福島に滞在中、ブログないし、SNS的なものを使って何かしら情報をアップしたいなあと思ったのですが、私自身、感覚をサッと文字に起こして、サッとアップすることが苦手な人間でして、遅くなってしまいました。

全体の率直な感想は、本当にめちゃめちゃ楽しかったーーー!!の、一言です。本展覧会では、沢山の尊敬する先生作家さん、先輩作家さん、また同世代の方々と出会うことができました。こういう形で人と出会えるって本当に楽しいなと。

私自身、このような大規模な人形展覧会に参加するのは初めてだったこと。学生時代、雑誌や本で拝見し、憧れていた人形作家の大先輩先生方が沢山参加されていたこと。私が制作している人形のスタイルと、球体人形・創作人形の世界が、どういう形で絡むことができるか。さらには、知っている人もほぼいない中、福島に数日間滞在予定だったので大丈夫かななど、参加前はいったいどうなるだろうと結構不安だったのです。

でも、そんな不安はアッという間に吹っ飛ぶほど、楽しい数日間でした。

今回参加された作家さん達のほとんどが、女性でした。この点も凄く面白く、私の周りの人形作家さん達は、ほとんどが男性で、女性はまだまだ少ない感じで。もちろん、人形の分野―創作人形と、人形劇の世界の違いだったり、素材の違いだったり、国の違いもあるかもしれませんが。

人形制作と聞くとすごくインドアな感じ。(もちろん、私も含めて仕事上、引きこもりの方は多いと思いますが)球体人形作家さんと聞くと、すごく大人しそうで、内気な繊細な感じの人をイメージしますが、いやはやいやはや。(もちろん、そういう方もいると思いますが)日本を代表される人形作家の大先輩方の大半が体育会系のノリで、本当に明るくて、面白くて、何よりパワフルで。凄くカッコいい女性作家さんばっかりでした!

新参者としての展覧会参加をしていた私のドギマギしていた心配をよそに、初日以降は、10年来の友人ぐらいに仲良くなれる先輩アーテイストの方々もたくさんいて、本当にうれしかったです。さらには、「人形作家」という通常の世界では圧倒的な少数派の分野に属する私が、右も左も見渡せば、皆さん人形作家さん!!というのも、圧巻で楽しかったです。今回参加者の方の数が本当に多かったので全員の方と挨拶したり、お話しすることは不可能だったのですが、それでも、沢山の方々と知り合うことができました。

まず、今回の「ドールアート展 in うつくしま2017」展の主催者であり、国内外で大活躍されている日本を代表する人形作家の一人、大竹京さん。見た目は本当に華奢で、おしゃれで女性らしい感じなのですが、どこにそんなパワーが!というぐらいパワフルでした。人形も本当に素晴らしく、特に今回は2017年NHK「お母さん、娘をやめていいですか?」というドラマのために、制作された人形も沢山展示してあり、この作品達を見にくるだけでも一見の価値はあります。

また、この展覧会に参加する切っ掛けを作ってくださったのが、金沢と京都に人形教室を開かれているパワフルな粧順先生。学生のころから人形のファンだった三輪輝子先生。今回作品を見て一気にファンになった高橋富子先生。作品も、ご自身もすごくユーモアに溢れている安藤早苗先生。凄いなと思った方々について全員書けませんが、本当に沢山刺激を受けました。

今回、初めて球体関節人形を間近に、こんなに沢山見る機会を得たのですが、「人形」の世界にも色々あると改めて感じました。同じ人形作家というカテゴリーに属する私でも、まったく別世界に迷い込んだような感覚になり、その辺も興味深かったです。爪の先、細部まで完璧に作りこまれた動かないリアルな人形たちは、まるで命があるような。美しい姿形をした人形たちは、本当に見る人たちに不思議な感覚にさせるなと感じました。

先に名前を上げた先生方をはじめ、作家の皆様の人形達は、「人形」という表現手法を用いて、独自の芸術性を人形を通して表現するところまで昇華されたアート作品になっているのですが、それでも「人形」という形が、見ている人たちの親近感を生んでいると思いました。その感覚が、作品とわかっていても思わず触ってしまいたくなるような、そんな不思議な感覚にさせるのだなと思いました。今回、会場で、普段美術館などでは絶対作品に触らなそうな人たちでも思わず人形を触りそうになっていて、係の人に止められているシーンを沢山見ました。そういう意味では、創作人形の世界は、人に一番身近な部分にある「アート」の世界になのかもしれないなと感じました。

最後に、今回海外からの招待作家という名誉ある形で、展覧会に招待していただきました。私自身、チェコに移り住んでから今年で丸10年になります。日本という文化土壌の中で生きてきたこと、その経験をもって、チェコで培ったこと。私自身が肌で感じてきたもの、目でみてきたものはこの10年間で沢山ありますが、それでも、私自身の感覚が、チェコ人の方々のもつ根源的な感覚と同じものになるとは思えません。ですが、チェコの文化―人形劇を介しながら、日本でチェコの文化を、人形劇にまつわる分野に近い形で作品を発表できるチャンスは凄くうれしく思いました。長々となってしまいましたので、私の作品については次回書ければと思います。

今回、大竹京先生をはじめ、ご尽力頂いたドールアート実行委員会の皆様方、福島県の皆様方には、厚く御礼申し上げたいと思います。


「ドールアート展 in うつくしま2017」

ファイル 270-1.jpgファイル 270-2.jpg4月になりました!!!

直前の告知になってしまいましたが、4月15日から22日まで福島県、Max福島にて開催予定の、「ドールアート展 in うつくしま2017」(>web)に、海外作家として招待して頂くことになりました。こういった大きな人形の展覧会に参加するのは初めてなので凄く楽しみです。

色々と書きたいことがあるのですが、今日これから日本に帰る感じでバタバタです。。いつも、もっと優雅に準備ができたらなあと思っているのですが、なかなかに難しい課題です。

それでも、誕生日を日本で迎えられるのは10年ぶりだったりとか、福島で桜も見れるかも!?とか心逸っています。

多くの皆さま方に会えるのを楽しみにしています!!


「Od maličkých k velikým」プレミア公演!!

ファイル 267-1.jpgファイル 267-4.jpgファイル 267-2.jpgファイル 267-5.jpgファイル 267-3.jpg先日、2月25日にブルノ・ポラールカ劇場にて無事「Od maličkých k velikým(小さいものから大きいものまで)」のプレミア公演を迎えることができました。プレミア上演はなんか目頭がなんか熱くなるぐらい 物凄く盛り上がりました!!これから、ポラールカ劇場で定期的に上演されていきます!ぜひブルノへ行かれる場合はプログラムをチェックしてみてください!!(>web)

プレミア上演を迎えた「Od maličkých k velikým」!!!

最初に演出家のゾヤさんからお話しをもらったのは、たしか昨年の夏の終わり頃だったと思うのです。「白雪姫」や「3匹の子ブタ」といった具体的な物語ではなく、色んな詩や童謡を使って、タイトル通り、小さいものから大きいものが登場していくものにしたいとのことで。細かい内容は実際に見てもらいたいのでここでは書くのを控えたいと思うのですが、ゾヤさんオリジナルの戯曲になっています。

ゾヤさんの最初のアイデアでは、セットは、タンス1つのみでタンスから引っ張り出せる衣類をつかって、色んな人形に変化していくものというものでした。前回も書きましたが、このお話しをもらった時、最初にゾヤさんから「Yumiにとって不得意な分野かもしれない」と言われたは、「布製の」人形制作が理由だったのです。

演劇用の人形は毎回作り方も素材も変わるので、どれが!ということはないのですが、やはり木だったり、張り子だったりが多いので、布製の人形を作ってこなかったわけではないのですが、裁縫がそんなに得意でないのはゾヤさんも周知の事実な感じでして。

いつもは、舞台用の縫物や衣装は、デザインのみ私がやって、後は縫製をするプロにお願いして、小物とか手縫いが必要な物、味のある感じに仕上げたい時のみ作るといった感じなのです。編み物はちょっと自信があるのですが、裁縫仕事は本当にあまり得意ではないのです。

そんな私の裁縫技術は、大きな針、大きな待針を使う事とか、手縫いの時糸は4本通すなど、毎回お世話になっているテーラーのブディーコバーさんから教わったものが多いのですが、大きな針で指を刺した時の破壊力はなかなかのもので。。今回の人形達、サイズも大きかったのですが、色々な仕掛けもありまして、立体的に縫っていかなければいけなかたったので手元が不安定だったのか、ただ単に私が不器用なだけだったのか、まあ、何度刺したかわかならいぐらい刺しました。人形の笑顔の裏には、かなり血に塗られた側面があるのです、、、というのは冗談ですが、なかなかに苦しめられました。

そして、一番難しい課題だったのが、「役者の即興性を活かせる人形」というリクエストでした。

これには、かーーなり悩みました。。この辺は、実際に劇を見て頂きたいので詳細を書くのは避けますが、結果だけ書けば凄くいい感じでクリアできたと思っています。ただ、即興性を活かせる物・形は、実際にリハーサルをしなければ見えないわけでして。それでも、人形がなければ、リハーサルにならないので、ゾヤさんとの打ち合わせの中で沢山アイデアを出して、ある程度の方向つけつつ、自身で作る過程で見えてくるアイデアなど色んな可能性や機能を持たせつつ制作しましたが、やはりリハーサルの経過を見て、作る側も即興的に対応していかないといけないといった感じでした。

「Od maličkých k velikým」は、全体的にその「即興性」が大事なテーマで、ゾヤさんの台本も、ゾヤさんが選んだ詩、童謡以外は何も書かれてない状態で、全部リハーサルの中から生まれていきました。今回出演している俳優さんは3人。ポラールカ劇場に所属していて、ポラールカ劇場の設立メンバーの一人であるJiří Skovajsa(イジー・スコバイサ)さん、「浦島太郎」や「金の紡ぎ車」でも一緒だったLubomír Stárek(ルボミール・スターレク)さん、女優2人は客演で上演スケジュールで対応できるようにダブルキャストになっていて、Hana Jagošová(ハナ・ヤゴショバー)さんとAdéla Marešová(アデーラ・マレショバー)さんが出演しています。音楽は、最近ブルノ市から文化功労賞を受賞した、ゾヤさんの制作チームとしておなじみのZdeněk Kluka(ズデニェック・クルカ)さん。

皆、ゾヤさんのお墨付きがでる本当にいい役者さんでした!

特に、このイジ―(イルカ)さんとルボミール(ルボシュ)さんの即興力というかアイデア力が半端なく、私自身もリハ中かなり触発される結果になりました。特に嬉しかったのは、私自身色々と舞台や人形にちりばめたアイデアや機能を、私が想像していた形以上に、もう本当におおいに越える感じで演じてくれて。こういう良い形でのキャッチボールは凄く嬉しいもので、毎度のことで、短時間で結構な仕事量だったのですが、制作するのが楽しかったです。

ゾヤさんの演出力により、役者の即興的な演技、身体を使っての動きや曲、プリミティブ・ナイーブな表現方法でできた人形や動物のシーンからの、作り込んだビジュアル世界の段階が、本当にバランスがとれた作品に仕上がったと思っています。私にとっては、ゾヤさんと10作品目。私自身、少しは成長した状態でゾヤさんのそばで仕事ができているといいなあと思うのですが、、どうでしょう。それでも、これだけ沢山の作品を一緒に作ってくることができて、改めて幸せなことだなと思います。また、一緒にいい作品が作れますように。

そして、「Od maličkých k velikým」沢山の人たちに見てもらえることを願っています。

写真・1 最後の方のクマ。Masopust(謝肉祭)の季節だったので、なんだか吊るし切りならぬ、吊るし縫いだったなあと、、
写真・2 リハの時のお気に入りの1枚。
写真・3 ゲネより
写真・4 サルも出てます!(このサルの機能が結構面白いのです)
写真・5 プレミア後、子供達も舞台に上がって、みんなでぞうさんに!!
 


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