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近況報告・7月

ファイル 301-1.jpgファイル 301-2.jpgファイル 301-5.jpg少し更新が遅くなってしまいました。色々とお知らせがあります。

今年はDRAK劇場成立60周年に際し、様々な催しものが用意されています。その中の一つ、DRAK劇場で大きな功績を残された舞台美術家ペトル・マターセク氏をテーマに開催された展覧会「non perfektně vod matasa」展が6月23日からDRAK劇場のLABYRINT博物館にて始まっています。

「non perfektně vod matasa」展は、舞台美術家ペトル・マターセク氏と、生前、懇意にあったアーテイスト達(演出家、俳優、生徒など)が、『マターセク』をテーマに自由に展示をする企画展です。総勢30名以上が参加しています。展示期間は半年、一年?とまだ、未定みたいですが、ぜひ、フラデッツ・クラーロベーにお越しの際はお立ち寄り下さい!

私は、マターセク教授の名前をもじって、掛け軸風に展示しました。名前のアルファベットから、氏の性格や個人の思い出を織り交ぜて描きました。氏との想い出は本当に色々ありますが、その中でも心に残る言葉の一つ。「Musíš číst mezi řádky a mezi slovy. Je tam tajemství.(言葉の間や段落の間も、読まなければいけない。そこに秘密があるから)」

こういう言葉を聞くと、ドキドキします。

チェコでの生活は、チェコ語を使う日常を送っていますが、何か原作を読まなければいけない仕事の場合は、チェコ語(英語・ポーランド諸々)原作でも日本語のものを探して読んでいます。というのも、日本語からのが、圧倒的に膨らむイメージのが大きいからです。

それでも、日本語より感覚的にしっくりするチェコ語も沢山あります。その中の一つに、「Tajemství(タイェムストヴィー) 秘密」という単語があります。

DRAK劇場の専任舞台美術家だったペトル・マターセク教授。その前任者でマターセク氏と並んでDRAK劇場の伝説を作り上げた舞台美術家フランチシェック・ヴィーテック氏と会った時に、一番心に響いた言葉は「Loutka nepotřebuje altenativu. Protože je tam tajemství.(人形に前衛なんて必要ない。なぜなら、そこには秘密があるから)」という言葉でした。

私自身が「Tajemství (タイェムストヴィー) 秘密」という言葉が好きで、そういう言葉に反応して、特にドキドキしてしまうだけなのかもしれませんが、教授と生徒、人生の大先輩と若輩者で、「Tajemství (タイェムストヴィー)秘密」という言葉を介しながら、語り合えるというのは、凄く凄く素敵な事だったのだなと改めて感じました。

また、そんな師・マターセク氏と人形作家の先輩佐久間奏多氏と、「劇場の中の人形展」という企画展が、7月29日より長野県飯田市川本喜八郎人形美術館にて開催されます。詳細は後日また、改めて書きたいと思っています。

さらに、今年、長野県飯田市で開催される人形フェステバルは40周年です!日本で最大規模の人形フェステバルなので、ずーーーっと行きたいと思っていたのですが、やっと今年行けることになりました!フェステバル内で8月3日、4日に「鉄柱入り人形」のワークショップをします! 以前にも何回かやっているワークショップですが、3時間でチェコ伝統の鉄柱入り操り人形を制作できます。ぜひ、ご参加ください!(web)

ファイル 301-3.jpgファイル 301-4.jpgまた、2015年にプレミア公演があった「アンネの日記」ですが、今シーズン、6月28日をもって千秋楽になりました。先日、エストニアで演出をしていたNY在住の演出家芦沢いずみさんが、ハードスケジュールの間を縫ってプラハに遊びに来てくれ、短期間の滞在の中、プラハから片道3時間半かかる劇場まで一緒に見に行ってくださりました。(その後いずみさんは、ルーマニア、セルビアでの仕事に向かわれました…。凄まじい体力の持ち主です…。)

2年半?ぶりに見た「アンネ」は、不思議な事に、さらに台詞の一言一言が染み渡るような感じでわかって、プレミア公演時も理解していたつもりでしたが、不思議とさらに理解が深まっていました。3年間、特にチェコ語を勉強していたわけではないのですが、知らず知らずとボキャブラリーが増えていたのか。プレミア時は、精神状態に余裕がなかったのか。でも、プレミア公演時に感動した部分は同じで、前半で3回、後半で2回泣いていました。涙がでる瞬間の感情が、いつも、こういう時の感覚を忘れずに、永遠に続けばいいのになと思います。

長くなっていました。他にも書きたいことが、諸々あるのですが、小まめにアップしないとこういう事になってしまいあす。現在、鋭意制作中の「金色の髪のお姫様」の制作状況など、インスタグラム(のが楽にアップができるので…)そちらに、近況を小まめ?にアップしています。( >インスタグラム)アカウントを持っていなくても、パソコンからでも見られますので見て頂けると嬉しいです。特に、漫画はインスタでしかアップしていないので、ぜひ見てみてくださーーーい!!!( >漫画・インスタグラム)

写真・1 「non perfektně vod matasa」展
写真・2 掛け軸部分
写真・3 現在、鋭意制作中の「金色の髪のお姫様」のスケッチ
写真・4 3年間演じきったアンネの手。写真ではちょっとわかりませんが、損傷からの補修がかなり施されていました。本当にいい劇場で、大事にされていたのだなと。
写真・5 千秋楽後の記念撮影


近況報告・5月

ファイル 300-5.jpgファイル 300-1.jpgファイル 300-2.jpgファイル 300-3.jpgファイル 300-4.jpg5月も終わり梅雨の季節が始まりました。チェコには梅雨がないので、現在日本滞在中なのですが久しぶりに日本で「梅雨」という言葉を聞いた感じです。というわけで、半年ぶりに日本にいます!わーい!お知らせが遅れてしまいましたが、5月19日から日本に一時帰国していました。いつも慌ただしい感じの帰国ですが、今回はいつにもまして、スケジュールがかなり入り組んでいたので、お知らせやブログ等に書ける時間がありませんでした。現在は、第二の故郷になりつつある九州・小倉に滞在しています!

今夏、今秋は、日本で沢山のイベントを控えています。今回の渡航は、様々な場所での打ち合わせがメインなのですが、その他にも、昨年に引き続き、武蔵野美術大学空間デザイン学科(池田教授ゼミ)で3回講義をさせて頂いています。まだ、31日に最後の講評があるので、とても楽しみです。前回は自身の仕事を紹介しながら話す講義がメインだったのですが、今回は課題を出し、生徒さん達にやってきてもらうプロセス、ただ話すという感じではなく生徒さん達と直接のやり取りができて楽しいです。

また、私立鴎友学園女子中学校で話をするという機会も頂きました。中学3年生250人!私の人生の中で、こんなに大勢の前で話すのは初めてでかなり緊張しました…。さらには、中学生に向けて、いったい何が話せるだろうと結構悩みました。

「まだ見ぬ陸を信じて なぜに鳥は海をゆけるの」

左の写真にもある、中島みゆきさんの「最後の女神」の一節を前に拳を振り上げ、骸骨の人形を操る人形作家の図…。

この一節は、最後のオマケ的な感じで話したのですが、私自身が、チェコへの留学前に凄く勇気づけられた歌詞でした。(実際に自身の作品で「まだ見ぬ陸を信じて」という中島みゆきさんの歌詞の一節を使わせてもらった作品もあるぐらいです…)

チェコという国を最初に知ったのは、大学3年生のアニメーションの授業の時。(小学生の頃、チェコスロバキアが分裂というニュースは覚えていましたが、もっと具体的な意味で)ヤン・シュヴァンクマイエル氏の映像を見た時でした。そこから、チェコという国があるという認識が始まり、チェコは人形劇が盛んであるという話を聞いてから、色々調べ出し、留学してみたいと思いだしたのは大学院時代ぐらいからだったと思います。

ただ、遠いですし、当時は現在と比べるとさらに情報がよくわからない。大学も英語のサイトなんてない感じで。さらには、私自身保守的な人間で、腑に落ちないと、覚悟ができないと動けないタイプで、なかなかすぐに決断できるものではなりませんでした。いうなれば、行きたいという気持ちは確実にあって、でもその先は全くどうなるかわからない。そんな状況下で、この歌詞は当時の私の本当に心の支えになりました。とにかく信じて進むしかないと。そんな話をしていた時の写真でした。(ので、思わず拳になってしまっているんでしょう…)

現在は、役者のチャークさんこと谷口直子さんの家に滞在しながら、秋に大分で初演予定の公演の打ち合わせ。スカイプ、最近ではラインで、すでに何回も打ち合わせを重ねてきましたが、やっぱり会って話さないと見えないものがあって。すでにチャークさんとは何作品も一緒に制作していますが、こういった規模で作品制作に臨めるのは2012年制作の「金のさかな」以来じゃないかと思います。いい作品になるよう、一緒に突っ走れたらです。

毎回情報が遅れがちですが、今夏は長野県飯田、今秋、東京パペットハウスさん、北九州にて展覧会、大分では、初演公演等。日本でのイベントが色々と続きます。詳細は後日書いていこうと思っています!いつも告知がギリギリになりがちですが、今年は、なるべく早めにインフォしていきたいと思っています!!

写真・1 長野県飯田に打ち合わせに向かった時に乗車した、伊那路の車窓より!
写真・2 講演前
写真・3 恥ずかしい瞬間での講演時の写真。。
写真・4 小倉にて新作打ち合わせ中です!詳細は後日!!!
写真・5 小倉の原風景

(打ち合わせがメインの滞在の時は普段より写真を撮らないので、ブログにあげる写真を見つけるのに苦労しました。)


近況報告・4月

ファイル 299-1.jpgファイル 299-2.jpgファイル 299-3.jpgファイル 299-4.jpgファイル 299-5.jpg4月も後半になりました。生まれ月とあり、一番好きな季節です。私は、まだ少し肌寒い春が好きなのですが、プラハの春と秋は短く、一気に半袖でも大丈夫な暖かい日になっています。桜は終わり気味ですがライラック、木蓮など、時差なく一斉に咲き出していて、個人的にはもったいないなと感じています。それでも、抜けるような青空に花、木が芽吹いていて本当に綺麗です。去年の春は日本にいたので、苦しまなかったのですが、今年は、例年通り花粉症にかなり厳しくやられています。私はシラカバ花粉症で、特に口腔アレルギーが酷いです…。春税です…。

先日、誕生日を迎え、今年で30代最後の年だなあと思うと、なんとなく背筋を正したくなるような気持ちになりました。何歳まで生きられるかわかりませんが、折り返し地点をいつの間にか回っていたなぁと。今までの人生とこれからの人生。今までやってきたこと。これから、できる挑戦。

ちょうど20歳の頃、Didoさんの「Hunter」という音楽が好きで良く聞いていました。ミュージックビデオも凄く好きで。特に、DidoさんがDidoさん自身を追いかけるシーンが、今でも、フッとした瞬間にフラッシュバックする映像です。たぶん、20歳の頃、自分の思い描く未来と自分の理想像と、現実のギャップが、自分が自分を追いかけるという映像に凄くリンクして、心に深く食い込んだのだろうなと思います。思い起こせば、あの頃から今日まで約20年、自分の描く自分を追いかける鬼ごっこは、全くもって距離を縮めていないような、ずっと続いていたのだな、なんて感じたりします。10年後、20年後、こういった気持ちがどう変化しているかわかりせんが、改めて、心を引き締めて精進していけたらと思いました。

今年は、進行形の仕事を平行しながら、大学に入ってから現在まで20年間で作成してきた作品、プロジェクト、写真・記録をとることなど疎かだったので、初心にかえって、振り返るためにもできるところから、まとめなおしてみたいと思っています。

さらに、私のウェブも、ペタオ・デザインも、かなりデータ更新をしていなかったので、アップデートをしていこうと思っています。過去の作品の写真、現在進行形の写真行程などは、インスタグラムに投稿しています。ウェブに載せてない画像も沢山あるので、ぜひ、見てみてください!( >インスタグラム)また、今年から始めた漫画ですが、描き始めると結構ネタが出てきて、自身のウェブ上でアップしていくのも、見づらいですし気軽ではないので、どうしたものか、、と考えていたのですが、漫画用のインスタグラムのアカウントを作りました。マイペースに随時更新していきますので、漫画も、こちらより、覗いてもらえればと思います。( >漫画・インスタグラム)

また、2016年にNHK・BSで放送された「世界に花さけ!なでしこたち」をYoutubeにてアップしました!( >「世界に花咲け!なでしこたち」)「なでしこ」撮影時は、髪型が家族全員から「全く似合わない!」と酷評を受けたパーマです…。最近、かなり久しぶりに私も見直して、かなり気恥ずかしくなりました。また、タイトルの「なでしこ(=大和撫子・日本の気品ある美しい女性)」からは、かけ離れた自分自身についても、かなり恥ずかしく思いますが、こんな私に注目してくれて、本当に丁寧に取材・撮影してくれた番組なので沢山の方に見て頂けたら嬉しいです。2014年に放送された「グッと地球便!」も、仕事がリンクしていたりもするので、ぜひ一緒に見て頂けたらです!( >「グッと!地球便」)

さらに、上記の2つの番組とは趣向が違う番組ですが、先日台湾の若いアーテイストが、私のアトリエに訪問に来てくれました。ビデオ撮影OKかと聞かれて、いいよと答えたら、こんなミニルポ番組に!世代の違いを感じました。私の英語がかなり恥ずかしいですが、台湾語で紹介されるのも不思議ですし、何よりかわいいエネルギッシュ二人組で、楽しかったです。台湾語ですが、全編4分程度なので、ぜひ見てみてくださーい!

写真・1 プラハのさくら!
写真・2 わんこの背景の植物は、春咲く花の中でも大好きなZlatý déšť(金の雨、名前も好き)
写真・3 「ぐっと地球便!」撮影時の、裏話
写真・4 「世界に花咲け!なでしこたち」撮影時の裏話?
写真・5 台湾の若いアーテイスト達と記念撮影。20代の濁りのないピースに挟まれ笑顔がひきつるアラフォーならぬ、Almost40..


近況報告・3月

ファイル 296-1.jpgファイル 296-2.jpgファイル 296-3.jpgファイル 296-4.jpg3月も後半になりました。先日は雪も降ったり、日によってはまだかなり寒く、天候が全く読めない春らしい季節です。好きな季節です。

家でも、外での仕事でも基本的に引きこもりなので、健康を考え今年から週1でプールに通っています。3年前まで1メートルも泳げなかった私ですが、ついに、ついに先日!!!1キロ泳げました!!長い目標だったので、かなり嬉しかったです。次の目標は、フォームをなおして、もっと力を抜いて泳げたらいいな、なんて思っています。(まだまだ、水は怖いですが)

色々なプロジェクトが動いていますが、制作中心の日々です。詳しいお知らせは、まだ先になってしまいますが、今年から来年にかけて、日本での展覧会が、夏・秋・冬と続きそうです。制作ペースは波がありますが、もう少しペースアップをしていけたらと思っています。

制作期の気持ちは、とってもナイーブになりがちですが、制作中よく考えていることは、記憶についてです。自分がこれまでに覚えていること。忘れてしまったこと。覚えていたいこと。体感した記憶と、日々うつりゆく感情の記憶は異なるなといったところで。短期集中の記憶力はそこそこあると思うのですが、全体を通してみると、かなり忘れっぽい人間なので『忘れてしまう、でも忘れたくない感覚を留められたら』なんて事が、制作中のキーな感情になっているなと思っています。

また、先月から始めた漫画ですが、「息抜き」といいながら、かなり本人的に楽しんでやっています。

そもそもブログを始めた切っ掛けは、役者のチャークさんこと、谷口直子さんが文化庁派遣芸術家在外研修員として、チェコで研修していた際にブログを書いていて、そのブログがとても面白く、影響を受けやすい私は「わー!面白いなー!私も書いてみたいなあー!」みたいな憧れから始まりました。とはいっても、私は文章能力が子供の頃からなかったので、サラリと始められるものでもありませんでした。徐々に徐々にで、なんとか現在まで、ほそぼそと月1回ぐらいのペースで、ブログをアップしていますが、今でも文章を書くことにおけるコンプレックスはぬぐえるものではなく、毎回苦戦しています。そもそも、感情を言語化する能力があるのであれば、人形という媒体を通して自己表現するということにはなっていなかったのではないか開き直ったりもしています。(文章書けない言い訳ですが)

その点、漫画は、違いまして。子供の頃から、とりとめもない内容でしたが漫画を描いていたタイプでした。現在では、舞台美術の仕事をするときは、ストーリーボードを描いていますし、タッチもふくめて、今描いている感じの漫画とあまり変わりないかなと。また、文章化は無理だったけど、漫画だったら描けるかも!といった忘れたくない想い出が沢山あり、ブログを書くより、私自身にとっては自然なツールだなと感じています。描きたい内容が沢山あり、あまり漫画ばかりアップしていますと、制作しているのか!?と感じられるかもしれませんが、大丈夫です。鋭意制作中です!

写真・1 昨年、福音館書店さんより出版しましたかがくのとも10月号「つくってあそぼう!あやつりにんぎょう」より、さんかくおじさん!
漫画・1 下ネタになってしまはないか心配しましたが、結構インパクトある想い出だったので
漫画・2 現在も「アンネの日記」はSlovacke劇場(web)で上演されています!
漫画・3 ちょっと内向的な内容ですが、なぜ人形を作るのかの一つの理由に繋がる何かなのかなと


近況報告・2月

ファイル 295-2.jpgファイル 295-3.jpg2月も終わりに近づいています。今年のプラハは暖冬気味だったのですが、最近はかなり、ググっと寒くなりました。私のチェコの苗字は、Mráz(ムラ―ス)というのですが、意味は「極寒」で、まさに今そんな感じです。結構寒いですが、春に近づいている日差しは美しく好きな季節です。

今年から来年のスケジュールですが、色々ありますが、特に展覧会の予定が多いです。なので、現在は引きこもって作品制作の日々です。ちょっとずつですが、インスタグラムで作品制作過程などアップしていますので、お時間ありましたら覗いて見てください。( >インスタグラム)

昨年の後半は家にあまりいなくて、ジックリ制作できなかったので、今年前半はつきつめていきたいと思っています。課題は、制作環境や郵送問題などで少々大作作品を制作するのにしり込みしてしまう小さな自分を、どれだけ、自分の中で気にせずやってのけるかなーなんてところです。(小さい話ですが、現実的に大きい問題なのです…)

制作中は、いつも音楽をかけているのですが、去年は、ケイト・ブッシュさんの音楽に完全に心を奪われてかなり聞き込みました。どのCDも凄くいいですが、おすすめCDは「NEVER FOR EVER」と「THE DREAMING」です。最近は、ニーナ・シモンさんの「Black Is the Color of My True Love's Hair」(凄いタイトルですが…)を繰り返し聞いています。オリジナルもいいですが、remix版を。最初に聞いた時は男性の歌手かと思ったので、女性でビックリ!彼女の個性的な声が、感覚をいい感じに開放してくれて心地いいです。そう考えると、制作中聞く音楽は、圧倒的に女性歌手の方の曲が多いです。制作以外の時も、女性の方が多いかもしれませんが。歌詞だったり歌声だったり、感覚がリンクしやすいからかなと。

制作期は、感情が混線して、ブログを書くことが遠のきがちです。というのも、書いても、凄くナイーブな内容になりがちなので…。ですが、今年は、ブログをもう少し頻繁にアップしよう!という小さな目標があります。ので、制作からちょっと外れたこと、チェコの暮らしや思い出など、漫画を交えながら、チラホラ書いてみようかなと思っています。なぜ、漫画?となるかもしれませんが、これには色々理由がありまして…。

ファイル 295-1.jpg東京藝術大学院の担当教授だった故・大藪雅孝教授が、以前「植木屋さんで、一服できない人は一人前ではない」とお話しされていた事がありました。要は、達観して自分の仕事を見られるかということなのですが。私自身制作中は、たばこも吸えないですし、コーヒーも飲めない上に、甘い物もあまり得意ではないので、ちょっとしたブレイクを取らない感じで、盲目になりがちな状態になってしまうのです。ちょっとした気分転換が必要だなと。

チェコ生活10年分のネタも結構ありますし、8コマという限定されたコマ数でおとす漫画を考えるのは結構楽しく、いい息抜きになっています。制作中は制作している物について何も書けないので、漫画を介ながら別視点でブログを書いてみようかなあと思っています。

写真・1 寒いです…
写真・2 留まらぬ成長を続けるサボテン
写真・3 時事?オリンピックネタです


2018!!!

ファイル 292-1.jpgファイル 292-3.jpgファイル 292-4.jpg2018!!!

ブログアップが遅れてしまいました。現在は、プラハで制作の日々です。昨年後半は、ほとんどプラハにいなかったので、家で自分のリズムに戻して制作するのにちょっとかかりました。制作ペースは、悪くはないと思います。いい具合に、感覚的に内に入っている状態といいますか。こういう状態の時は、なかなか感情をアウトプットできないので、どうもブログが遅れがちです。今年は、もう少しブログを定期手的に書けたらなと思っていますが。。

昨年、チェコへ来て10年目で、今年は11年目になります!

新たな章の始まりな気がしてます。

チェコへ来てからの10年間は、劇場での仕事を中心に、外で仕事を最優先にしてやってきましたが、今年は、数年間ずっと、やりたいと感じていたこと。やりたいけど、時間不足や経験不足等で挑戦できていなかった事をもっと取り組めたらと思います。

思い描く世界は、日々変化し取り止めとなく溢れていきますが、それを具現化するには、ドスっとした時間が必要になってきます。感覚的目標ですが、プロジェクトとは別に、自身の制作にもっと時間をあてられたら、なんて思っています。

昨年末にお知らせできなかったことですが、ちゃーくさんこと、谷口直子さんの新作「てぶくろ」の人形を制作しました。詳しくはDivadlo 501のウェブを!(>web

実験的ですがInstagramで、写真をアップしていこうと思っています。ユーザーネーム:yumicherをチェックして頂けると嬉しいです。

今年は日本に(今の見通しでは)3回ぐらい行く予定です!仕事でバタバタしているかもですが、皆さまに会える日を楽しみにしています!2018年も皆さまにとって幸せな年でありますように!!

写真・1 犬年!!
写真・2 昨年参加した、Doll Art展覧会
写真・3 Pipi壁画、文字が入り完成!


「Memory Hole」

ファイル 291-1.jpgファイル 291-2.jpgファイル 291-3.jpgファイル 291-4.jpgファイル 291-5.jpg日本におけるチェコ文化年、シアターΧ25周年企画「ペトル・マターセク追悼企画」で、11月2日から16日まで、日本に一時帰国していました。2週間の間に、マターセク教授が美術を手掛けた作品「命の歌」と「ピノキオ」の上映。シアターΧにて10日間にかけて行われたワークショップ「Memory Hole」と成果発表、ワークショップにて一緒に講師をしたアントニーン・シィラル氏の監督作品「Menandros & Thaïs」の上映など盛りだくさんでした。

かなり濃い2週間だったので、どこから書いていいのかわからない状態です。が、第一に予期しない形で、マターセク氏のワークショップという企画から、氏の追悼企画になってしまい、時間のない中で、チェコセンター、シアターΧのスタッフの皆さんを初め、多くの人の協力を得て形にすることができました。この場を借りて厚く御礼申し上げたいと思います。

「Memory Hole」
10日間かけてシアターΧにて、行われたワークショップです。色々と本当に大変でしたが、代えがたい経験になりました。マターセク氏の発案があってから、実現するにあたり2年近くの時間が経ってしまい、さらには、氏の不幸があってからは、実際にこのワークショップをする意義を考えなくてはならない事態になりました。その際、シアターΧの芸術監督の上田さんより「マターセク氏に学んだ生徒として、氏の意思を引き継いで、ワークショップをしたらどうか」との強い発案がありました。私一人でマターセク氏の代わりにワークショップを引っ張ることは難しいと思い、DAMU時代に同級生で、私とは全く違う方向性の舞台美術をやっているアントニーン氏に協力を得る形で話を進めていきました。

アントニーン氏とは、学生時代から知っているので10年以上の知り合いですが、こういう形でタグを組むのは初めてで、2週間かなり話し込むことになりましたが、ここまで長いこと深いこと話したことはなかったので面白かったです。興味のある方向性、活動の場は、ちょっと違いますが、演劇における仕事の仕方、哲学、物事のとらえ方は、ペトル・マターセクという同じ親・師を持った共通点といいますか凄く似ていて、一緒に組んで仕事をするのにズレがなくとても楽でした。とても頼りになり、多くの刺激をもらう形になりました。

ワークショップのタイトル「Memory Hole」は、マターセク氏が1年半以上かけて決断した言葉でした。決断にいたるまで、かなりの読書家のマターセク氏ですが、イタリアの小説家イタロ・カルヴィーノやヤロミール・エルベン、フランツ・カフカなどチェコを代表する作家の作品、「古事記」を初めとする日本の伝説や昔話まで、かなりの本を読まれました。

マターセク氏とのワークショップに関する打ち合わせはかなりの時間を費やし、ひな形も制作しましたが、実際に私とアントニーン氏がその意思を引き継いでやるとなると、氏が考えたものをベースにし、自分たち自身で考え直さなければならない点が沢山ありました。それでも、マターセク氏が決めたタイトルに関しては、私もアントニーン氏も両者即決でこのタイトルを残そうとなりました。

本ワークショップの、私自身のコンセプトでは、マターセク氏の教え「人 自身 他者、人形 物体、メディア、空間、視点、ループ 関係性、時間、光」それらを総括して考えること-を基に、ミニDAMU(チェコ国立芸術アカデミー劇場学部)を再現することでした。毎日テーマを決め90分間の講義、そのテーマにそった90分2回の実技をすることでした。テーマを決めて講義をすることで、自身の仕事を介しながら、マターセク氏から学んだことを。実技では、コンセプト、「First impression」のイメージやアイデアスケッチ、ストーリーボードなど、実際にアイデアを人に絵で伝えることから、アイデアの実現化―チェコで日常に繰り広げられているリハ風景、制限された物の中でどれだけアイデアが出せるか、形にしていけるか、「アイデアの即興性」を体感体現することを目標にしていました。

時系列を追って書いていきたなと思ったのですが、到着した2日のことを思いだすとかなり昔のことに感じてしまうぐらい濃い2週間でした。それでも、10日間という長いワークショップ。会社で働かれている方もいたので、参加するにはもの凄く難しいスケジュールでしたが、本当に個性豊かな人が集まり、10名の参加者さんの全員、私もアントニーン氏も涙がホロリと出てしまいそうなぐらい、全力でついてきてくれました。

さらには、ワークショップという形で10日間は長いですが、実際に成果発表という枠で何かを掲示するには、10日間ではかなり短いのも事実です。「Memory Hole」というかなり抽象的な言葉から得る各参加者さんの個人のイメージ。実際の記憶。そういった物を探りながら、全体で繋げていくこと。時間、技術面、素材等、多くの制限があり、その中でどう作り上げていくかも大きな課題でした。実際に成果発表の当日に出来上がったシーンも3か所ぐらいあり、通してできたのは1回。そんなプロでも困ってしまうような環境下でも、皆さん堂々とむしろリハーサルの時よりも生き生きしてやられている姿を見て、本当に心がドキドキしました。演劇の持つ不思議な力だなと。

また、個人の繊細な記憶部分にかなり関わりのあるテーマだったこと、10名という人数もあり、かなり密にコミュニケーションすることができました。最後の方は感覚共有といいますか、アントニーン氏のチェコ語を、参加者さんが理解する瞬間が多々あり、逆も然りで面白かったです。

長々となってしまいました。書いても、書ききれない濃い体験でした。若輩者ですが、講師という形で10日間やらせてもらえる機会を得て、実際に多くを学んだのは私やアントニーン氏だったのではないかと思います。日本にいる間、マターセク氏の存在を感じる瞬間が多々あり、全ての物事ひっくるめて、氏からの最後の課題だったのではないかと感じずにはいられませんでした。どういう形でできるかわかりませんが、マターセク氏から学んだことは、私自身の人生の中で誰かに伝えいかなければと思っています。

そして、今回こういった形でワークショップの機会を用意してくださいましたシアターΧの皆様、チェコセンターの皆様、ワークショップ中、多大な協力をしてくれました通訳バーラ・シェフチーコヴァーさん、アントニーン氏の映画「Menandros & Thaïs」の字幕を訳してくれた川島さよ子さんを初め、本当に多くの人の協力により今回の企画が成立しました。重ね重ね御礼申し上げます。

気持ちが、フワ――――っとしていますが、来週、プラハで2年に1回開催されている第4回国際アート・ドール展覧会に参加します。11月24日から26日まで、Slovanský dům (住所:Na Příkopě 22 PRAHA 1)にて。会期中会場におりますので、ぜひぜひお越しください!!世界中から、著名な人形作家さんが大集合されます!詳しい情報はこちらより!(>web


壁画「PipiとAstrid Lindgren」

ファイル 288-1.jpgファイル 288-5.jpgファイル 288-2.jpgファイル 288-3.jpgファイル 288-4.jpgここ数年、立て込んだ仕事が続き移動も多いので、目が覚めると自分がいったいどこにいるのだかわからなくなる感覚によくなります。先月、座・高円寺で再演があった「ゴーレム」の中で『おれは、いったいここで何をしているんだ』という台詞が繰り返し使われていたのですが、まさにそんな感じで。

一昨日まで、ポーランドはSlupskuにて壁画を描いていました。今年は、本当に沢山この街に来たなあといった感じで。片道14時間の移動は、何往復しても全く慣れませんでした。Slupskuは10万人規模のポーランドでは中都市。カソリック教徒が多いポーランドですが、市長がゲイであることを告白し、一躍有名になった街でもあります。街中には古い建造物も沢山残っていて綺麗ですが、この街の面白い特徴はとにかく教習車が多いことです。朝から晩まで外に出て見かけないことはないぐらい走っていて、私が現在泊っている劇場のゲスト用アパートから劇場まで、徒歩5分もかからないのですが、その間に調子がいいと(どんな調子だかよくわかりませんが…)10台ぐらい見かけたこともありました。とにかく書かずにはいられない、どうもいい特色です。

今年の秋、Slupskuでは、「長靴下のピピ」の作者であるAstrid Lindgrenの生誕110周年を祝うイベントが企画されていました。9月16日にTęcza人形劇場にて初演を迎えた「長靴下のピピ」をはじめ、イベントが盛りだくさんだったようです。その一環で、Astrid Lindgrenとピピをテーマに壁画の依頼があったわけです。スウェーデン人であるAstrid Lindgrenを、ポーランドのSlupskuで生誕を祝い、プラハに住む日本人が壁画を描くという、ちょっとカオスなプロジェクトではありましたが、人生で初めてこのような大きな絵を描かせてもらって楽しかったです。

描く前は普段大きくても図面として等身大サイズ。ポスターやイラストでは大きくてもB3ぐらいまでの絵しか描いてない私が、壁画なんて大丈夫かなという不安はかなりありましたが、実際の問題は大きさではなく、制作環境にありました。あきらかに、この企画事態、夏ものといいますか、バルト海に隣接したSlupskuで、1日中外で作業をしていると本当に寒いといいますか、さらには霧雨、小雨も降ったり、最終日は白い息まででました。体力はあるほうではありますが、毎日ヘロヘロというか、ボロボロでした。。(この時期になってしまったのは、私のスケジュールの問題だったので文句は言えないのですが…)最初は、3人ポーランド人のアシスタントについてもらったのですが、中盤からは自分のタッチで仕上げないなので、一人で朝から日暮れまで作業していて、さらには小雨が降っている寒い日なんかは、壁に向かいながら、『おれは、いったいここで何をしているんだ…』なんてゴーレム現象が起こっていました。

それでも、チェコ人より感情表現が大きいポーランド人。壁画制作中、道行く人、子供から大人(結構ロックな恰好した若者まで)、おじいちゃん、おばあちゃん、とにかくみんな、「凄く綺麗!」とか「凄くいい仕事だね!」とか「人形劇で見たピピだー!」とか感想を本当に大声で叫んでくれて。チョコレートを差し入れてくれたおばあちゃんもいたりして、凄く励まされました。

電車の遅れもあり15時間かけてSlupskuに到着後、そのまま現場に連れていかれ、クレーン車に乗せられて、プロジェクターで投影した絵を「はい!スプレーでなぞって!!」と言われた時は軽い眩暈が起きました。さらには、愚痴に思われると良くないですが、当初、壁画サイズは、高さ16メートル×横11メートルと言われていたのですが、なんとなく壁画は横長なイメージが強かった私は、縦、横の単語をあまり注意してみなくて、高さ11メートル×横16メートルと勘違いしてデザイン画を作成してしまいました。その後、オーガナイズサイドから「反対だよ!」と言われて、急遽デザイン画を再度修正して提出したのに、実際の現場にきたら言われていた壁のサイズが全くもって違い、むしろ最初に間違えたサイズでデザインしたものの方が壁にマッチするという不可思議な現象も起きました…。言われていたサイズよりも実際の壁のが、小さかったので私的には助かりましたし、まあ、ご愛敬かなと…。

が、それでも話がまとまってからのステップはいい意味でヨーロッパ的で早く、面白い企画に呼んでもらって感謝です。そして、この壁画を描いた場所も、図書館の壁でそんなところも嬉しかったです。コーディネーターのパワフルなオラ、アシスタントでついてくれた本当に女性3人衆カーシャ、エヴァ、カロリーナ、本当に感謝です!!

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写真・1 壁画完成(白い部分には後から、本の引用文章が入ります。)
写真・2 アップ部分
写真・3 デザイン画
写真・4 初日、、
写真・5 初日、、、(顔がもう白いです)


近況報告・10月

ファイル 285-1.jpgファイル 285-2.jpgファイル 285-3.jpgファイル 285-4.jpgファイル 285-5.jpg先週末に、プラハに帰ってきました。日本での滞在は、2週間とちょっとだったのですが、なんだかアッという間だったような、でも、思いだすと凄く遠い昔のような感じがしています。

直前の告知にも関わらず、「ゴーレム」や「Noha本×Yumi本」展にお越しくださいました皆様方、本当にありがとうございました。もっと、お話ししたい!!という瞬間しかありませんでした…。

「ゴーレム」再演―。

9月28日から10月1日まで座・高円寺にて上演された「ゴーレム」は、昨年KAATで上演されたものからさらにパワーアップされた仕上がりになりました。今回の一番の違いは、主役が寺十吾さんから元唐組の丸山厚人さんに変わったことでした。お二方のタイプが全く違うので、同じ劇でも、受ける印象が全く違うものになりました。

丸山厚人さんは、実力派の俳優さんで、私自身が書くまでもないのですが、回を重ねるごとに、毛細血管の先の先まで血が通いきるような感じで、劇場の空間自体を隅々まで掌握されるような圧倒的なパワーがありました。偶然にも同じ学年で本当に頼もしいなあと感じました。

そして、一糸座さん。昨年に引き続き、チェコチームとして呼んで頂き、本当に大感謝です。天野天街さん版「ゴーレム」は、日本でもチェコでも見られない本当にいい作品だと思います。また、別の形、場所でゴーレムが蘇ることを願ってやみません。

「Noha本Yumi本」
2日日間という短い間でしたが、お越しいただいた皆様本当にありがとございました。今回、福音館書店さんから出版させて頂いた「つくってあそぼう!あやつりにんぎょう」は、私自身、初めての出版本でした。日本滞在中、本屋さんで見かけたときは、「わわわー!!!」となりました。多くの知り合いから、実際に作った人形の写真や、福音館さんを通して、幼稚園で実際人形劇場を作ってあやつってみるという写真を頂きました。ただただ、嬉しいという気持ちでいっぱいです。

「ペトル・マターセク追悼企画」
惜しくも、7月25日に永眠された舞台美術家ペトル・マターセク氏の追悼企画です。

チェコの人形劇黄金時代の立役者であり、世界に代表する舞台美術家であり、チェコ国立芸術アカデミー劇場学部(DAMU)人形劇舞台美術科に在籍していた時代、私の担当教授であり、私自身の運命を大きくかえてくれた恩師でした。

この秋に氏のワークショップをするという形で進めていた企画が、まさか追悼企画という形に変わるとは思いもよりませんでした。メールをたどると、私と氏とのやりとりでは、2015年から日本でのワークショップを企画しようという話が始まり、2016年から劇場間での調整をはじめ、2017年秋にできる手筈がやっと整った矢先の話でした。日本でのワークショップは氏の大きな願いであり、恩師への恩返しできるチャンスだったのですが、一足遅かったのが悲しくて仕方ありません。

ただ、2010年に卒業してから、年明けや行事等では氏に会っていましたが、日本でのワークショップというプロジェクトが動いてからは、本当に数えきれないほど打ち合わせをする機会を得ました。学生の頃からでしたが、氏はいつも現状の力では乗り越えることではできない大きな課題を絶えず与えてくる方でした。同じ場所に立っていたり、同じことを繰り返していたり、思考が停止していると、いつも足元をすくわれました。卒業して数年間実際に現場でやってきて、今度は恩師と仕事をするという機会を得て、改めて学ぶ瞬間が多々ありました。

一生、緊張して向き合わなければいけない師がいるということは、本当に幸せな出会いだったのだと心から思います。

追悼企画という責任の重い企画を、諸先輩をさしおいて若輩者の私が背負うことについては、眩暈を感じずにはいられませんでした。が、この状況すらも、いつも大きな課題を与え続けてきてくれた氏からの課題なのかなとも感じています。天国から、「Udělej!!(やってみろ!)」と言われているような。心して臨めたらと思います。

11月には、氏の2作品が上映されます。詳しくはこちらを。(>webΧ)また、私と同じくマターセク氏の生徒だったアントニーン・シィラル氏とともに、11月3日から14日までシアターΧにてワークショップを開催予定です。最終日は劇場舞台にて発表があります。

2016年より準備を進めていたマターセク氏のワークショップのコンセプトを引継ぎ、私とアントニーン氏が氏から学んだことを活かしながら、舞台美術家という立場から、いかにアイデアを出し、舞台を構成・実現していく過程を学べるワークショップです。人形・舞台美術製作者、パフォーマー、ダンサーを対象としていますが、興味がある未経験者も大歓迎です。告知が遅くなってしまいましたが、ぜひ多くの皆様の参加をお待ちしています!(参加お申込みは、シアターΧまで)

写真・1 「ゴーレム」リハ風景。好きなシーンです!
写真・2 全体集合写真。「パベルだよ~」
写真・3 マターセク追悼企画、3企画あります。
写真・4 ワークショップ「Memory Hole」のチラシです。
写真・5 ワークショップのタイムスケジュールです。


PIPI初演!!!

ファイル 282-1.jpgファイル 282-2.jpgファイル 282-4.jpgファイル 282-5.jpgファイル 282-3.jpgかなり困難なプロジェクトでしたが、9月16日「長靴下のピピ」は、スウプスクのTęcza人形劇場にて無事にプレミアを迎えることができました。良い作品に仕上がったので、本当に苦労が報われたなあと…。

初めて競演したJacekは本当に素晴らしい演出家でした。作曲家のPavelが作曲した音楽も劇全体を非常に盛り上げたと思います。今回、彼らとチームとして仕事ができたことは、とても良い経験となりました。

とにかく、実演までが短期間であったこと。「ピピ」のお話自体が凄くシーンも登場人物も多く、どうまとめても、作り物が多くなってしまうこと。劇場側の照明のリフォーム工事により、慣れない機材でスタッフ側のミスが増えてしまったこと。工房で作った大道具も何度も修正が必要だったことなど、多方面で、越えるべき課題が多々あった現場でしたが、一緒に乗り越えられた達成感は大きかったです。

プレミア後、Jacekと「こんな無理な現場、初めてだね…」と、話しました。これまで、どの現場でも、色々な困難がありましたが、今回の「ピピ」も私の経験の中でも大変だったという意味では、3本指に入ると思います。

今回の「ピピ」は、演出家Jacekの統率力と、女の子が主人公ということも影響してなのか、女性が活躍したことが成功に大きく影響したと思います。本公演に出演している女優5人や、工房における女性3人は目覚ましい活躍をしてくれました。

私自身は、工房に勤めている6人に仕事を割り振りながら大道具・人形・小道具・衣装を制作・準備を行う必要がありました。その中で、バーシャさんというおばあさんの人形職人さんは、素晴らしい技術と忍耐力、完成度を上げてくださる方でプラハに連れて帰りたいぐらいでした。他の女性達も、短期間で物凄い量の仕事量でしたが、全力でバックアップしてくださいました。

男性たちも頑張ってくれましたが、私自身仕上がりに対して満足できないこともあり、ここまで、厳しくダメ出しを言うのも初めての現場でした。10年間、こちらの劇場で働いて、出来上がった大道具を、壊させて作り直すという指示をだしたのも初めてでした。

もう、ここに書けないぐらい様々な舞台裏の人間ドラマがありましたが、いい作品に仕上がったことで、全部の気持ちが昇華されたといいますか、良かったなって本当に思います。この夏は、ずっとポーランド生活も続き、劇場の人達とも仲良くなり、結構ポーランド語も覚えだしましたが、ここで一区切りです。ピピが、これから沢山の場所で上演されることを祈っています。

ちょっと感傷気分でプラハに(1日かけて、、この移動も今回大変でした)帰ってきましたが、1日おいてバッタバッタのまま日本に来ました。気持ちを休める暇もなく次は「ゴーレム」(9月28日―10月1日座・高円寺)です!!!

ぜひ、お越しください!!!

写真・1 Photo by Magda Tramer
写真・2 Photo by Magda Tramer
写真・3 Photo by Magda Tramer
写真・4 ピピ・ワンシーン
写真・5 今回制作した人形達


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